ニュースリリース

2009年03月11日
大鵬薬品工業株式会社
東レ株式会社

アドレナリンβ3受容体作動薬の共同開発開始について

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:宇佐美 通、以下「大鵬薬品」)と東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:榊原 定征、以下「東レ」)は、このたび、過活動膀胱治療を目指したアドレナリンβ3受容体作動薬である「TRK-380(東レ開発番号) /TAC-301(大鵬薬品開発番号)」の共同開発を開始しましたのでお知らせいたします。

TRK-380/TAC-301は東レ医薬研究所における創薬探索研究の結果見出された、アドレナリンβ3受容体を選択的に刺激する化合物です。昨年、東レと大鵬薬品との間で日本国内における共同開発・事業化を目的とした共同事業化契約を締結し、現在は共同で本化合物の薬効、安全性を、動物を用いた非臨床試験で確認している段階です。今後、フェーズI試験(ヒトに対する安全性検証のための臨床試験)を可能な限り早い時期に開始する予定です。

TRK-380/TAC-301は、動物実験において、現在、過活動膀胱の治療に用いられている抗コリン薬とは異なり、膀胱に存在するアドレナリンβ3受容体を刺激することにより膀胱平滑筋を弛緩させ、膀胱容量を増大させる作用を示しています。さらに、TRK-380/TAC-301は動物実験において、一般的にアドレナリンβ3受容体作動薬で懸念される循環器系副作用が薬効と大きく分離していることが確認されています。東レおよび大鵬薬品は、本化合物を過活動膀胱の治療薬として1日も早く製品化することによって患者さんのQOLの改善に貢献できるよう共同開発を推進してまいります。

参考

※過活動膀胱とは
「過活動膀胱」とは、加齢、神経疾患、脳血管障害などの種々の原因により「尿意切迫感(急に抑えきれないほどの強い尿意を催す状態)」や「頻尿(排尿回数が通常より多くなる状態)」、「尿失禁(我慢できず尿を漏らしてしまう状態)」といった諸症状を示す疾患です。過活動膀胱を罹患している患者さんの数は日本国内で810万人と推定されていますが(2002年、日本排尿機能学会調べ)、加齢が大きな原因の一つであることから、高齢化の進展に伴い今後さらに増大すると考えられています。

会社概要

東レ株式会社

設立 1926年(大正15年)1月
本社 東京都中央区日本橋室町2-1-1
代表者 代表取締役社長 榊原 定
資本金 96,937,230,771円

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