ニュースリリース

2014年07月25日
大鵬薬品工業株式会社

進行肝細胞がん患者を対象としたS-1の第Ⅲ相臨床試験で主要評価項目を達成せず

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、代表取締役社長:小林 将之)は、抗悪性腫瘍剤S-1(製品名:ティーエスワン®)に関して、sorafenib療法が無効になった、或いは副作用によりsorafenib療法が継続できなくなった進行肝細胞がん患者を対象として実施した国内第Ⅲ相臨床試験(試験名:S-CUBE)において、主要評価項目である全生存期間の統計学的に有意な延長が認められなかったことをお知らせします。

本試験の詳細な結果は、今後しかるべき学術集会で発表する予定です。なお、本試験結果は、既承認の効能・効果に影響するものではありません。


【S-CUBEについて】
本試験は、S-1の肝細胞がんへの適応拡大を目的とし、日本で実施した第Ⅲ相臨床試験です。標準治療後のアンメットメディカルニーズに応えるため、sorafenib療法不応の進行肝細胞がん患者を対象に、プラセボ対照・無作為化・二重盲検比較試験として実施しました。主目的はプラセボ投与群を対照としたS-1投与群の全生存期間の優越性の検証でした。全国58施設の医療機関が参加し、2009年10月から2013年8月の間に334例が登録されました。

【ティーエスワン®について】
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤であるティーエスワンは、吸収後、抗がん剤フルオロウラシル(5-FU)に変換される代謝拮抗物質のテガフール、体内で5-FU の分解を阻害するギメラシル(5-chloro-2,4-dihydroxypyridine、またはCDHP)、消化管で5-FU のリン酸化を阻害するオテラシル(Oxo)の3化合物の配合剤です。胃がんの治療薬として開発され、1999 年に国内で最初に承認を受け、現在では胃がんの標準治療薬となっています。日本においては、他に結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌、膵癌、胆道癌の6つの追加効能を取得しています。海外では、胃癌の適応でアジア(7カ国・地域*)、欧州(19カ国*)、また台湾においては膵癌の適応でも販売されています。


*:2014年7月現在

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