大腸がんの早期発見のために
~進行するまでほとんど自覚症状はありません~
大腸がんの増加
大腸がんは、50歳代から増加し始め、高齢になるほど高くなります。また、大腸がんの罹患率、死亡率はともに男性の方が女性の約2倍と高い傾向があります。
![年齢階級別がん罹患率[大腸 2014年]](/kenko/files/images/275d55aa3f7314525c138b7db697d443.png)
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資料:国⽴研究開発法⼈国⽴がん研究センターがん対策情報センター
大腸がんの発生部位
これまでの大腸がんの増加には主として結腸がんの増加が影響しています。
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大腸がんのリスク因子
大腸がんのリスク因子として認められているものは、
- 家族歴
- 過体重と肥満
- 飲酒や加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)の多量摂取
などがあります。
また、運動はリスクを下げることがわかっています。
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大腸がんの症状
早期の大腸がんでは全く症状がないことがふつうです。
がんが進行すると下記症状がでることがあります。
- 血便、下血
- 下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ
- おなかが張る
- 腹痛
- 貧血
- 原因不明の体重減少
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大腸がん検診
「検診の効果がある」と判定されている検査は、「便潜血検査」、「全大腸内視鏡検査」です。
便潜血検査
大腸内の微量な出血を検出します。安全で簡単、そして安価な検査です。
便潜血検査が陽性になった場合には、その原因を明らかにするために、精密検査を受けることが必要です。陽性になった人の約25~30人に1人にがんが診断されます。
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全大腸内視鏡検査
がんやポリープに対する診断精度が非常に高い検査法です。精密検査として第一に推奨されます。最近は楽に安全に受けられるようになってきました。米国では10年に1度内視鏡検査を受けた50歳以上の人が過半数に達し、大腸がん死亡率が減ってきました。
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男女ともに、40歳以上は年に1回、便潜血検査による大腸がん検診を受けましょう。
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陰性の場合でも、次回の検診までに気になる症状が出た場合は医療機関を受診してください。
陽性の場合は、必ず精密検査を受けてください。精密検査でポリープなどがん以外の病気が指摘された場合は、治療が必要か、経過観察が必要か、さらに次回の検診が必要かを担当医と相談してください。
指導:国立研究開発法人国立がん研究センター 社会と健康研究センター検診研究部 部長 中山 富雄 先生