手洗いや消毒だけじゃない!
衣類やマスクにも細菌・ウイルス対策を

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手洗いや消毒だけじゃない!衣類やマスクにも細菌・ウイルス対策を

新型コロナウイルス感染症対策で、除菌や消毒への取り組みが日常生活に溶け込んだ昨今。こまめな手洗いや手指の消毒、マスクの着用、密の回避などの行動が、すっかり習慣化した方も多いはず。ですが、目に見えない、つまりどこに潜んでいるかわからない細菌やウイルスへの対策として、本当にそれだけで十分なのでしょうか。今一度、菌やウイルスへの感染対策について見直しましょう。

感染対策のポイント

そもそも細菌やウイルスによる感染を防ぐには、どんな方法があるのでしょうか。そのポイントは、大きく三つに分類されます。
まず一つ目は、免疫力の増強。日頃から栄養バランスや適度な運動を心がけ、自らの免疫力を高めることで、体内に侵入した細菌やウイルスを除去する方法です。
続いて二つ目は、感染源を遠ざけること。感染症には必ず何かしらの感染源があり、中でも、既に細菌やウイルスなどの病原体を体内に持っている感染者が、感染源となることが多いと言われています。そんな人からの感染を防ぐためには、なるべく人混みに入らず、密な状況を避けることが大切。もし家族の中に感染者が出てしまった場合は、可能な限り隔離をし、家庭内感染を防ぎましょう。
そして最後に、感染経路の遮断。これは体内に侵入する前に細菌やウイルスを除去する方法であり、対策としては非常に手軽で有効。みなさんが普段行っている手洗いや手指の消毒もここに含まれます。
ですが実は、病原体が付着しているのは手だけではありません。つまり手洗いや手指の消毒だけでは、感染経路の遮断としては不十分なのです。

外出先で衣類などに付着する細菌・ウイルスに注意!

言うまでもなく、感染経路を遮断する上で、手洗いや手指の消毒はとても有効です。しかし細菌やウイルスなどの見えない敵は、あなたが気づかないうちに、コートやマフラー、カバン、マスクなどの身の回り品に付着しているかもしれません。そしてひとたびそれらの病原体を持ち帰ってしまうと、家の中でも細菌やウイルスの脅威にさらされることに。そうならないためにも、外で身につけているものに対しての対策が重要です。

衣類などに付着した細菌・ウイルスにはスプレーが有効!

どんなに人との接触に気をつけていたところで、街中や電車の中などの人混みでは、どうしても避けようのない細菌やウイルスの付着。ではこれらを除去するにはどうすれば良いのでしょうか。もちろん洗濯も有効ですが、より手早く実行できるのが、除菌・ウイルス除去効果を持ったスプレー類。洗濯に掛かる時間が省けるだけでなく、家庭では洗いにくいコートやカバンなどにも気軽に使えるのが最大のポイントです。
実際に衣類やバッグに使う場合は、20cmほど離して、表面全体が十分に濡れる程度にスプレーしましょう。マスクに使用する場合は、商品の使用方法に従って吹き付け、よく乾かしてから着用してください。

細菌やウイルスを増殖させないようにする『抗菌・抗ウイルス』という考え方

これまで感染経路の遮断といえば、細菌やウイルスが付着してから取り除く、『除菌』という方法が一般的でした。ですがここ最近では、その逆の発想も生まれてきています。それが、事前の処置で細菌やウイルスが付着しても増殖させない『抗菌・抗ウイルス』という考え方。抗菌・抗ウイルス効果のあるスプレーを外出前に衣類などへ吹き付けることで、外から病原体を持ち帰る可能性を軽減する、先手必勝のリスクヘッジです。取り除くのではなく、細菌やウイルスを増殖させない。細菌やウイルスなどの見えない脅威と離れた生活を実現する、まったく新しい考え方です。

まとめ

これからの時代に必要不可欠な、より効果的な感染対策。やはり最も大切なのは、細菌やウイルスなどの病原体が、体内に侵入する前にシャットアウトすることです。中でも、付着してしまった病原体を除去する『除菌』と、(長時間にわたり)増殖させない『抗菌・抗ウイルス』。このふたつの対策を組み合わせることで、あなた自身と、あなたの大切な家族の生活が、もっと明るく輝くはず。そんな異なる機能を兼ね備えたスプレーを玄関に常備して、これからの時代を前向きに乗り切りましょう。

【監修】佐藤 留美 医師 朝倉医師会病院 呼吸器内科部長

【監修】佐藤 留美 医師
朝倉医師会病院 呼吸器内科部長

専門領域
一般内科、呼吸器科、感染症科、アレルギー科

医学博士
日本内科学会認定医、総合内科専門医
日本呼吸器学会専門医・指導医
インフェクションコントロールドクター
日本結核病学会結核・抗酸菌症認定医・指導医
日本感染症学会専門医・指導医
日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医
日本アレルギー学会専門医
肺がんCT検診認定医

所属学会
日本内科学会、日本呼吸器学会、日本アレルギー学会、日本感染症学会、日本結核病学会、日本化学療法学会