消化管間質腫瘍(GIST)について 治療について
GISTにおける薬物治療の流れ
GISTと診断されたら、まず手術で腫瘍を取り除く(切除する)ことが推奨されます。
また、手術をする/しないにかかわらず、薬物治療が行われることがあります。
初めて受ける薬物治療を一次治療といい、効果が得られなくなるか、
副作用で治療が継続できなくなるまで続けます。
継続ができなくなったら別の薬剤に切り替えて、二次治療、三次治療、四次治療などを行います。
GISTの薬物治療
薬剤名 | 作用機序 | 投与方法 | 特徴 |
---|---|---|---|
イマチニブ | チロシンキナーゼ インヒビター |
内服 |
細胞の増殖に関与するチロシンキナーゼの異常な働きを阻害することにより、がん細胞の増殖を抑える作用があります** 主に一次治療や補助化学療法に使われます 特徴的な副作用:骨髄抑制、まぶたや手足の浮腫1) |
スニチニブ | キナーゼ阻害剤 | 内服 |
腫瘍増殖と血管新生に関与する受容体を阻害し、抗腫瘍効果を示します** 主に二次治療に使われます 特徴的な副作用:骨髄抑制、手足症候群、甲状腺機能低下症1) |
レゴラフェニブ | キナーゼ阻害剤 | 内服 |
腫瘍の進行に関与するキナーゼを阻害して腫瘍の増殖と血管新生を阻害し、抗腫瘍効果を発揮します** 主に三次治療に使われます 特徴的な副作用:手足症候群、高血圧、肝機能障害1) |
ピミテスピブ (ジェセリ) |
HSP90阻害剤 | 内服 |
HSP90の働きを阻害し、がん細胞の生存と増殖に関与するさまざまなタンパクを減少させ、抗腫瘍効果を発揮します 四次治療に使われます 特徴的な副作用:「副作用について」参照 |
*GIST診療ガイドライン 2022年4月改訂【第4版】 金原出版、p15に記載の薬剤
**各製品のくすりのしおりより記載
1)病気がみえる vol.1 消化器 MEDIC MEDIA、p114