ティーエスワン/イリノテカン療法

大切な注意

併用禁忌薬

ティーエスワン/イリノテカン療法では、絶対に一緒に使用してはいけない飲み薬や注射薬などがあります。治療中に併用禁忌薬を一緒に使用すると、副作用が強くあらわれることがあります。

絶対併用してはいけない薬や併用療法

ティーエスワン

フッ化ピリミジン系の薬

  • フッ化ピリミジン系抗がん剤1)
    • フルオロウラシル(5-FU[ファイブエフユー]*
    • テガフール・ウラシル配合剤(ユーエフティ)
    • テガフール(フトラフール)
    • ドキシフルリジン(フルツロン)
    • カペシタビン(ゼローダ*
    • ホリナート・テガフール・ウラシル療法( ユーゼル*・ユーエフティ、ロイコボリン*・ユーエフティ)
    • レボホリナート・フルオロウラシル療法( アイソボリン・5-FU*
  • フッ化ピリミジン系抗真菌剤2)
    • フルシトシン(アンコチル)
  • ティーエスワンのジェネリック医薬品3)

イリノテカン

  • レイアタッツ4)(アタザナビル硫酸塩)

1)フッ化ピリミジン系というグループに属する、ティーエスワンと同じ種類の薬です。

2)真菌感染症の治療薬

3)ジェネリック医薬品(後発医薬品):先発医薬品であるティーエスワンと同じ有効成分を含んでいるため、同時使用は避けてください。

4)ヒト免疫不全ウイルス感染症の治療薬(抗エイズ薬)

*ジェネリック医薬品との同時使用も避けてください。

飲みあわせに注意が必要な薬

ティーエスワンとイリノテカンには、一緒に使用すると副作用が強くあらわれたり、逆に効果が弱まる薬があります。
現在、次のような薬や他の抗がん剤を使用したり、放射線治療を受けている場合には担当の医師・薬剤師に忘れずに伝えてください。

服用している薬など 一緒に使用した場合の症状
フェニトイン(てんかんの薬) ティーエスワンと一緒に使用すると、フェニトインの作用が強まり、吐き気、眼振※1、運動障害、けいれんなどが起こることがあります。また、イリノテカンの無毒化が促進されて、イリノテカンの作用が弱まるおそれがあります。
ワルファリンカリウム(血液を固まりにくくする薬) ティーエスワンと一緒に使用すると、ワルファリンカリウムの作用が強まり、皮下出血、歯肉出血など、出血しやすくなることがあります。
ロンサーフ※2(抗がん剤) ティーエスワンと一緒に使用すると、ロンサーフ※2の作用が強まり、重篤な骨髄抑制などの副作用が起こるおそれがあります。
アゾール系抗真菌剤、マクロライド系抗生剤、リトナビル(抗エイズ薬)、ジルチアゼム塩酸塩、ニフェジピン(高血圧症、狭心症の薬)、モザバプタン塩酸塩(低ナトリウム血症の薬)など、グレープフルーツジュース イリノテカンの無毒化が阻害されて、イリノテカンの副作用が強まるおそれがあります。
カルバマゼピン(てんかんの薬)、リファンピシン(結核症の薬)、フェノバルビタール(不眠症、てんかんの薬)等、セイヨウオトギリソウ含有食品 イリノテカンの無毒化が促進されて、イリノテカンの作用が弱まるおそれがあります。
ソラフェニブトシル酸塩(抗がん剤)
レゴラフェニブ水和物(抗がん剤)
イリノテカン及び活性代謝物(SN-38)の無毒化が阻害されて、イリノテカンの副作用が強まるおそれがあります。
ラパチニブトシル酸塩水和物(抗がん剤) イリノテカンの活性代謝物(SN-38)の血中濃度が増加し、イリノテカンの副作用が強まるおそれがあります。
末梢性筋弛緩剤 末梢性筋弛緩剤の作用が弱まるおそれがあります。
  1. 眼振:自分の意志とは関係なく眼球が動くこと
  2. ロンサーフ:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤

他施設で治療を受ける時

  • 他科あるいは他施設で治療を受けるときは、医師または薬剤師にティーエスワン、イリノテカンの治療中であることをお伝えください。
  • 他施設で治療を受ける時の説明図
  • 他のフッ化ピリミジン系抗がん剤からティーエスワンに変更する場合、あるいはティーエスワンから他のフッ化ピリミジン系抗がん剤に変更する場合は、前の薬の影響がなくなるまで休薬期間が必要になります。
    必ず担当の医師、薬剤師の指示通りに使用してください。
  • 以前、処方してもらった薬が自宅に残っていても、自分の判断で使用してはいけません。
    必ず担当の医師または薬剤師に確認してもらいましょう。