ティーエスワンによる膵・術後補助化学療法を受けられる方へ

自分でわかる副作用

下痢

  • あらわれる頻度 約47%(重い症状約5%)

腸の粘膜が薬により傷害を受け、下痢が起こることがあります。下痢が続くと脱水症状になりやすいので、注意が必要です。

ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に連絡しましょう

  • 激しい下痢が起こる
  • 下痢が長く続く
  • 排便回数がふだんよりも1日4回以上増加

日常生活の注意

  • 水分をこまめにとりましょう
  • スポーツ飲料などで電解質を補給しましょう
  • 食事を工夫しましょう
    • 消化のよい物(おかゆ、うどんなど)
    • 脂っこい物や刺激の強い物はさける
    • カリウムの多い食品(バナナ、果物ジュースなど)をとる
    • 食事は何回かにわけて、少しずつとる
  • 下痢によって、電解質(ナトリウム、カリウムなど)が水分と一緒に排泄されてしまいます

口内炎

  • あらわれる頻度 約40%(重い症状約3%)

口の粘膜が薬の影響を受け、口内炎があらわれることがあります。

ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に連絡しましょう

  • 服用し始めて数日以内に、下痢と同時に口内炎があらわれる
  • 広い範囲に口内炎があらわれる
  • 痛みをともなう

日常生活の注意

  • 歯みがきをていねいに行い、口の中を清潔に保ちましょう(歯ブラシは小さめで、やわらかいものを使う)
  • うがいや水分補給をこまめに行い、口の中を乾燥させないようにしましょう
  • 口内炎ができてしまったら、ごくうすい塩水や、うがい薬を使ってこまめにうがいをしましょう

吐き気・嘔吐

  • あらわれる頻度 吐き気 約45%(重い症状約4%)
あらわれる頻度 嘔吐 約23%(重い症状約2%)

薬の影響を受けてむかむかしたり、場合によっては吐いてしまうことがあります。

担当の医師に相談しましょう

  • 症状が強い
  • 症状が長く続く

食事の工夫

  • においのする料理はさけましょう(揚げ物、煮物、煮魚など)
  • 料理はさましてから食べましょう
  • ゼリーや果物など食べやすい物をとりましょう
  • 食事はゆっくり時間をかけ、少量ずつ食べられる物をとりましょう
  • においのする料理
  • 食べやすい食品

食欲不振

  • あらわれる頻度 約64%(重い症状約8%)

薬の影響を受けて、食欲が一時的に低下することがあります。
食事や水分がとれなくなると脱水になりやすいので注意が必要です。

担当の医師に相談しましょう

  • 症状が長く続く
  • 摂取量が減る
  • 体重が減る

日常生活の注意

  • 体力を落とさないためにも、食べられる物、好きな物を少しずつでも食べましょう(食事については膵がん術後の生活をご参照ください。)
  • 水分をとるようにしましょう

食事の工夫

  • 食べやすく栄養のとりやすい物をとる(スープ、茶わんむしなど)
  • 食べやすくたんぱく質の豊富な物をとる(豆腐、卵豆腐、ヨーグルトなど)

色素沈着

  • あらわれる頻度 約55%

皮膚や爪・指先などが褐色や黒色になります。直射日光で色素沈着が増強されます。

日常生活の注意

  • 強い日差しが差し込む窓ぎわなどをさけましょう
  • 外出時は帽子や手袋、衣類で、直射日光をさけましょう

皮疹(発疹)

  • あらわれる頻度 約32%

薬の影響を受けて、皮疹(発疹)があらわれることがあります。

ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に連絡しましょう

  • 全身に皮疹(発疹)ができる
  • かゆみをともなう

日常生活の注意

  • ウールや化学繊維は、肌に直接着ないようにしましょう
  • 刺激の少ない木綿の肌着を着ましょう

流涙(りゅうるい)(涙がでる)

  • あらわれる頻度 約32%

涙がでたり、目の充血、目が痛い、物が見えにくい、目がかすむ、目がかわく、結膜炎、角膜炎、涙道閉塞(涙が流れる管がつまる)などの症状があらわれることがあります。

日常生活の注意

  • 目の症状が気になるときは、なるべく早く担当の医師に相談しましょう
    症状によっては、眼科検査と治療を行う必要があります

間質性(かんしつせい)肺炎

肺の間質という部分に炎症が起こり、肺の機能が低下することがあります。あらわれる頻度は少ないですが、注意が必要な副作用です。

ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に連絡しましょう

  • 痰(たん)がでないせき(空せき)
  • 息が苦しい
  • 息切れ
  • 発熱

日常生活の注意

  • せき、息切れ、発熱など、かぜによく似た症状が起こることがありますかぜをひいたと自分で判断しないで、すぐに担当の医師に連絡しましょう