骨髄抑制
血液中には白血球、血小板、赤血球などの成分が含まれ、これらは骨髄で作られています。骨髄は抗がん剤による影響をとても受けやすく、治療中は骨髄抑制という副作用となってあらわれます。
骨髄抑制は自分でわかりにくいため、血液検査で定期的にチェックしていきます。
白血球減少「感染症」
白血球(特に好中球)が減少すると、抵抗力が低下して、感染症にかかりやすくなったり、ときには、全身の感染症をひきおこすことがあります。
ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に連絡しましょう!
感染症が疑われる症状
- 38℃以上の発熱
- さむけ
- せき、のどの痛み
- 排尿時の痛み
- 残尿感
日常生活の注意
- 感染症の予防(白血球が減っているとき)
口や皮膚、尿路、肛門からの感染に注意しましょう。- 外出のときは人ごみをさける
- 手洗いをしっかり行う(食事前、トイレの後、外出から帰ったとき)
- うがいをこまめに行う(外出から帰ったとき、食事の前)
- 口の中を清潔に保つ(食後、寝る前の歯みがき)
- 体調に合わせて、無理をしない
貧血(ヘモグロビン減少)
赤血球中のヘモグロビンの量が少なくなると、全身に酸素が十分いきわたらなくなり、貧血症状を感じることがあります。
ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に相談しましょう!
- 手足が冷たい
- 顔色が青白い
- めまい
- 動悸、息切れ
日常生活の注意
- ゆっくり動き始める(起き上がる、立ち上がる)
- めまいを感じたらしゃがむ、ゆっくり歩く
血小板減少「出血傾向」
血小板は出血を止める作用があるため、血小板が減少すると、出血しやすくなったり、血が止まりにくくなったりします。
ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に連絡しましょう!
- あざができる
- 歯みがきで口の中が出血する
日常生活の注意
- ころんだり、ケガをしたりしないように注意する
- 排便は、りきみすぎない
- 歯みがきはやわらかいブラシを使い、鼻かみはやさしく行う
下痢
腸の粘膜が薬により傷害を受け、下痢が起こることがあります。下痢が続くと脱水症状になりやすいので、注意が必要です。
ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に連絡しましょう!
- 激しい下痢が起こる
- 下痢が長く続く
- 1日の排便回数がふだんよりも4回以上増加
日常生活の注意
- 水分※をこまめにとる
- スポーツ飲料などで電解質※を補給する
- 食事を工夫する
- 消化のよいもの(おかゆ、うどんなど)、カリウムの多い食品(バナナ、果物ジュースなど)をとる
- 食事は何回かにわけて、少しずつとる
- 下痢によって、電解質(ナトリウム、カリウムなど)が水分と一緒に排泄されてしまいます
口内炎
口の粘膜が薬の影響を受け、口内炎があらわれることがあります。
ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に連絡しましょう!
- 服用しはじめて数日以内に、下痢と同時に口内炎があらわれる
- 広い範囲に口内炎があらわれる
- 痛みをともなう
日常生活の注意
- 歯みがきをていねいに行い、口の中を清潔に保つ(歯ブラシは小さめで、やわらかいものを使う)
- うがいや水分補給をこまめに行い、口の中を乾燥させない
- 口内炎ができてしまったら、ごくうすい塩水や、うがい薬を使ってこまめにうがいをする
吐き気・嘔吐
薬の影響を受けて、むかついたり、場合によっては吐いてしまうことがあります。
担当の医師に相談しましょう。
- 症状が強い
- 症状が長く続く
日常生活の注意
- においのする料理はさける(揚げ物、煮物、煮魚など)
- さましてから食べる
- 食事はゆっくり時間をかけ、少量ずつ食べられるものをとる
食欲不振
薬の影響を受けて、食欲が一時的に低下することがあります。
食事や水分がとれなくなると脱水になりやすいので注意が必要です。
担当の医師に相談しましょう。
- 症状が長く続く
日常生活の注意
- 体力を落とさないためにも、食べられるもの、好きなものを少しずつでも食べる
- 水分をとるようにする
皮疹(発疹)
薬の影響を受けて、皮疹(発疹)があらわれることがあります。
ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に連絡しましょう!
- 全身に皮疹(発疹)ができる
- かゆみをともなう
日常生活の注意
- ウールや化学繊維は、肌に直接着ないようにする
- 刺激の少ない木綿の肌着を着る
色素沈着
皮膚や爪・指先などが褐色や黒色になります。
直射日光で色素沈着が増強されます。
日常生活の注意
- 強い日差しが差し込む窓ぎわなどをさける
- 外出時は帽子や衣類で、直射日光をさける
間質性肺炎
肺の間質という部分におもに炎症が起こり、肺の機能が低下することがあります。
あらわれる頻度は300人に1人程度ですが、注意が必要な副作用です。
ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に連絡しましょう!
- 痰がでないせき(空せき)
- 息が苦しい
- 息切れ
- 発熱
日常生活の注意
- せき、息切れ、発熱など、かぜによく似た症状が起こることがあります。かぜをひいたと自分で判断しないで、すぐに担当の医師に連絡しましょう
流涙(涙が出る)
涙がでたり、目の充血、目が痛い、物が見えにくい、目がかすむ、目がかわく、結膜炎、角膜炎、涙道閉塞(涙が流れる管がつまる)などの症状があらわれることがあります。
日常生活の注意
- 目の症状が気になるときは、なるべく早く担当の医師に相談しましょう。症状によっては、眼科検査と治療を行う必要があります
このほかにも、気になる症状やいつもと違う症状がある場合は、担当の医師や看護師または薬剤師に必ず伝えてください。
ティーエスワン+シスプラチン併用療法を正しく理解し、副作用と上手につきあいながら治療を続けていくことが大切です。
不安なことやわからないことは、どんなことでも医師や看護師または薬剤師におたずねください。