ティーエスワン+オキサリプラチン併用療法と、ニボルマブもしくはトラスツズマブを加えた3剤併用療法を受けられる方へ

自分でわかる副作用

末梢神経症状

末梢神経症状はオキサリプラチンによる影響でほとんどの方にあらわれますが、症状と程度はさまざまです。
投与直後から1~2日以内にあらわれる急性症状と、繰り返しの治療によってあらわれる慢性症状があります。

急性症状

手足、口の周囲のしびれやチクチクする痛み、舌の感覚の違和感、あごがしめつけられる、食べ物や飲み物が飲み込みにくいなどの症状があらわれます。

慢性症状

手足のしびれや痛みによって、ボタンが外しにくい、文字が書きにくい、歩きにくい、食べ物や飲み物が飲み込みにくいなどの症状が続くことがあります。

日常生活の注意

  • からだが冷えたり、冷たい物にふれることで症状があらわれやすくなります
    からだを冷やさないように注意しましょう
    • 手洗いは、水ではなく温水を使う
    • 冷たい飲み物や食べ物は避ける
    • 家事などの時には、手袋を使う
  • 手足がしびれていると、感覚がにぶくなります
    ケガややけどに注意しましょう

医師、看護師または薬剤師に相談しましょう

次の点滴注射までしびれが続くようになる場合

吐き気・嘔吐

薬の影響を受けて、むかついたり、場合によっては吐いてしまうことがあります。

副作用マネジメント

吐き気や嘔吐のため、食事ができない場合は、ティーエスワンの服用をお休みし、あらかじめ処方されている薬を服用してください。

  • 吐き気止め(プロクロルペラジンなど)

日常生活の注意

  • においのする料理はさけましょう(揚げ物、煮物、煮魚など)
  • さましてから食べましょう
  • 食事はゆっくり時間をかけ、少量ずつ食べられる物をとりましょう

食欲不振

薬の影響を受けて、食欲が一時的に低下することがあります。
食事や水分がとれなくなると脱水になりやすいので注意が必要です。

副作用マネジメント

食事ができない場合は、ティーエスワンの服用をお休みし、あらかじめ処方されている薬を服用してください。

  • 吐き気止め(プロクロルペラジンなど)

日常生活の注意

  • 体力を落とさないためにも、食べられる物、好きな物を少しずつでも食べましょう
  • 水分をとるようにしましょう

医師、看護師または薬剤師に知らせて対処方法を相談しましょう

  • 吐き気・嘔吐が長く続き、つらいとき
  • 食事や水分がほとんどとれないとき

下痢

腸の粘膜が薬により傷害され、下痢が起こることがあります。
下痢が続くと脱水症状になりやすいので、注意が必要です。

副作用マネジメント

水様便がでた場合は、ティーエスワンの服用をお休みし、あらかじめ処方されている薬を服用してください。

  • 下痢止め(ロペラミドなど)

日常生活の注意

  • 水分をこまめにとりましょう
  • スポーツ飲料などで電解質を補給しましょう
  • 食事を工夫しましょう
    • 消化のよい物(おかゆ、うどんなど)、カリウムの多い食品(バナナ、果物ジュースなど)をとる
    • 食事は何回かに分けて、少しずつとる
  • 下痢によって、電解質(ナトリウム、カリウムなど)が水分と一緒に排泄されてしまいます

来院するか、早めに医師、看護師または薬剤師に知らせましょう

下痢止めの薬を飲んでも水様便が続く場合

口内炎

口の粘膜が薬の影響を受け、口内炎があらわれることがあります。

副作用マネジメント

口内炎の痛みで食事がしづらい場合は、ティーエスワンの服用をお休みしてください。

日常生活の注意

  • ていねいに歯をみがき、口の中を清潔に保ちましょう(歯ブラシは小さめで、やわらかい物を使う)
  • うがいや水分補給をこまめに行い、口の中を乾燥させないようにしましょう
  • 口内炎ができてしまったら、ごくうすい塩水や、うがい薬を使ってこまめにうがいをしましょう

早めに医師、看護師または薬剤師に知らせましょう

  • ティーエスワンを服用しはじめて数日以内に下痢と同時に口内炎があらわれる場合
  • 広い範囲に口内炎があらわれる場合

流涙(涙がでる)

涙がでる、目が充血する、目が痛い、物が見えにくい、目がかすむ、目がかわく、結膜炎、角膜炎、涙道閉塞(涙が流れる管がつまる)などの症状があらわれることがあります。

早めに医師、看護師または薬剤師に相談しましょう

目の症状が気になる場合(症状によっては、眼科検査と治療を行う必要があります)

色素沈着

皮膚や爪・指先などが褐色や黒色になります。
直射日光で色素沈着が増強されます。
ティーエスワンの服用を中止することで回復します。

日常生活の注意

  • 強い日差しが差し込む窓ぎわなどをできるだけさけましょう
  • 外出時は帽子や衣類で、直射日光をさけましょう