ティーエスワン+オキサリプラチン+ベバシズマブ併用療法とは、3種類の薬を組み合わせて治療する化学療法です。
- 飲み薬:ティーエスワン
- 注射薬:オキサリプラチン
- 注射薬:ベバシズマブ
治療方法について
- 手術で切除できない、または手術が難しい大腸がんに対して用いられる治療法です。
- それぞれの薬がお互いに効果を高めあい、がんの大きさをコントロールし、病気の進行を抑えます。
- 治療スケジュールは、通常3週間を一区切り(1コース)として繰り返します。
【参考例】1コース
ここに示した治療スケジュールは参考例です。実際の治療スケジュールは、患者さんの状態や副作用などにより変更することがあります。
なお、1日目の夕食後よりティーエスワンを投与開始した場合には15日目の夕食後より休薬となります。
治療を始める前に
- この治療を安全に行うために、あなたのからだの状態によっては、この治療が受けられないことがあります。
治療前には十分に検査を行いますが、次のことに心当たりのある方は医師に相談してください。
- 今、使用している薬がある(血を固まりにくくする薬を含めて)
- 透析治療を受けている
- 薬や食べ物にアレルギーがある
- 血が止まりにくい体質
- 大きな手術を受けて間もない(1ヵ月以内)
- 心臓・腎臓・肝臓の病気がある(検査値の異常がある)
- 脳に転移があると診断されている
- 動脈や静脈の中に血のかたまりができる病気(脳梗塞(のうこうそく)、心筋梗塞(しんきんこうそく)、深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)、肺塞栓症(はいそくせんしょう))にかかったことがある
- 胃潰瘍(いかいよう)や十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)などにかかっている
- 感染症、水ぼうそうにかかっている
- 手足や口周囲のしびれ、文字が書きにくい、ボタンをかけにくい、飲みにくい、歩きにくいなどの症状がある
- 抵抗力が弱くなっている(白血球、赤血球などが少ない)
- 高血圧
- 妊婦または妊娠している可能性がある
- 他の医師または歯科医師の治療を受けるときには、ティーエスワン+オキサリプラチン+ベバシズマブ併用療法の治療中であることを伝えてください。
治療スケジュール(参考例)
通常はこの治療スケジュールを3週間ごとに繰り返しますが、実際には、からだの状態や副作用の程度によって、薬の投与量や投与間隔などを変更することがあります。詳しくは担当の医師におたずねください。
- ベバシズマブ
初回投与時は90分かけて点滴注射をします(初回投与時に問題がなければ、2回目は60分で点滴注射します。2回目に問題がなければ、その後は30分で点滴注射します)。 - 吐き気止め
吐き気や嘔吐を防ぐために、点滴注射をします(飲み薬の場合もあります)。 - オキサリプラチン
120分かけて点滴注射をします。 - ティーエスワン
決められた量のティーエスワンを、朝・夕食後の1日2回、14日間毎日続けて服用します。
注)吐き気止めの薬品名やベバシズマブの点滴時間は、患者さんにより異なることがありますので、詳しくは担当の医師、看護師、薬剤師におたずねください。
治療中の注意
ティーエスワンを服用中は下記の点に注意してください。
ティーエスワンの治療内容(薬の量や治療スケジュール)は、担当の医師があなたのからだの状態をみて決めます。
しかし、薬を飲み始めた後に下記のような副作用の症状があらわれた場合には、あなたの判断でティーエスワンをお休みして、副作用を悪化させないための対応をしてください。
その結果、治療を再開して続けることができれば、より良い治療効果が期待できます。
1つでも当てはまった場合には、ティーエスワンをお休みしてください。
- 下痢
水様便がでた - 食欲不振、吐き気、嘔吐
吐き気や嘔吐のため、食事ができない - 発熱
38℃以上 - 口内炎
口内炎の痛みで食事がしづらい
点滴注射中は下記の点に注意してください。
- 点滴注射中はリラックスしましょう。
- 薬剤が血管の外に漏れないよう、なるべく安静にしていてください。
- 体を冷やさないように毛布などをかけてください。
(末梢神経症状があらわれやすくなります)
点滴注射中に以下のような症状が起こった場合は、すぐに近くの医師、看護師または薬剤師に声をかけてください。
- 息苦しい、のどがしめつけられる感じがする。
- からだがかゆい。
- 皮膚が赤くなる、ぶつぶつがでる。
- 寒気がする。
- 吐き気がする、気分が悪い。
- 注射部位が腫れる、痛みやかゆみなどの不快感がある。
- その他、違和感がある。