頻尿・尿もれの症状解説と予防法

男性と女性の違い

女性の場合

女性の場合

尿道は約3センチのまっすぐな管で、出口は内臓を支えている筋肉に囲まれています。
出口の抵抗が弱まることで、女性は尿漏れを起こしやすい構造になっています。

女性で頻尿や尿漏れでお悩みの方に

男性の場合

男性の場合

尿道はほぼ20センチの長さで、周りの組織にしっかり囲まれ固定されています。また膀胱の出口には前立腺があります。
このために女性に比べて尿を出しにくい構造になっています。

高齢になると

年をとると、身体のあちこちが弱まり失禁がおきやすくなります

高齢者と一言でいっても60才ですと、体力差は±7才あるといわれ、平均的な値はありません。
老化の進み方は一人ひとり異なりますが全体的に衰えてくるのは確かです。
身体の衰えがおしっこと関係する部分はいくつかあります。

1.腎臓、膀胱、尿道といった直接排尿にかかわる部分の衰え

1.腎臓、膀胱、尿道といった直接排尿にかかわる部分の衰え

腎臓の濾過機能が衰えることで夜間に尿が多くつくられる、薬の副作用がおきやすくなり、膀胱や尿道の筋肉が衰えるので尿をためづらく、漏れやすくなります。

2.手足の動きの衰え(運動機能の衰え)

2.手足の動きの衰え(運動機能の衰え)

手や足に運動まひ、痛み、ふるえ、関節がかたくなる、力がでない等により一連の排尿動作がうまくできにくくなり、排尿の障害となってきます。

日常で気をつけること

1.水分のとりかた

1.水分のとりかた

尿が近かったり、漏れたりすると水分を控えて飲まないようにしている人がたくさんいますが、水分はきちんと摂るようにします。目安では一日コップ5杯~8杯程度です。もしコーヒーやお茶などで特にトイレが近くなるようであれば、ご自分にとってあまり刺激のない飲み物を摂るようにしましょう。

2.便秘の改善

2.便秘の改善

便秘は膀胱を圧迫したり骨盤底筋を締めにくくするなど、失禁にも関係しています。3食バランス良く食べて特に朝食後の排便習慣をつけるようにしましょう。もし洗浄便座があるようでしたら、排便前に肛門を水で刺激すると出やすくなります。

3.体重のコントロール

3.体重のコントロール

肥満は便秘同様、膀胱を押したり、骨盤底筋を締めにくくする原因となります。「自分の体重-(身長-100センチ)=余分な体重」と考えて、その分を落としましょう。少しずつ運動しながら、食べる量をよく噛んでへらします。バランスのよい食事を心掛けながら長く時間をかけて体重を落としましょう。

4.臭いや肌荒れへの対応

4.臭いや肌荒れへの対応

臭いや漏れ、あるいは肌荒れはとても気になるもの。漏れる量に応じたパッドを使い、こまめに交換します。肌荒れを起こした場合は、お湯か臭いのない石鹸でかるくながします。それでもかゆみが強いときは受診しましょう。

よくある質問と回答

骨盤底筋訓練をするとすごく疲れます。とても一日に何回もできないと思うのですが。

もし全身が疲れたり、肩や腰など特定の部分が疲れるようであれば、骨盤底筋以外に力がこめられており、正しい方法ではありません。

おしっこは我慢すると膀胱炎など起こして体に良くないと言われていますが、我慢してよいのでしょうか?

我慢しすぎると膀胱炎がおこりやすいというのは本当です。
しかし、それは4時間以上排尿しなかった極端なときで、きっと水分も十分にとっていない状態だと思います。水分を十分にとった上で、ある程度我慢することは膀胱の大きさを保つだけではなく、膀胱の中を洗い流す上でも重要です。飲んだ量にもよりますが、3時間から4時間程度で排尿できればよいと思います。

なるべく病院には行きたくないのですが、行かないと悪くなるのでしょうか?

排尿に痛みを伴ったり、出にくいといった症状がある場合はできるだけすぐに受診することをお勧めします。それ以外はご自分でできることを実行してみて様子をみてもよいと思います。市販薬(ハルンケア)を試してみるのもよいでしょう。それでも心配だったり、どうしたらよいのか迷うときは、できるだけ受診してください。勇気がいると思いますが、多くの人が受診しています。一人で悩まないことが大切です。電話相談(こちら)をしてくださるのも良い方法です。もし、いない場合は失禁を扱っている泌尿器科や産婦人科を受診してみてください。

お問い合わせ・関連リンク

日本コンチネンス協会では失禁の無料電話相談をおこなっています。
ひとりで悩まずにすぐ電話をしてください。
電話番号:0570-05-1145

協会のインターネット、ホームページには全国各地の病院、診療所リストや用具類の選び方、給付事業等が載っていますのでご利用ください。
http://www.jcas.or.jp/