自分でわかる副作用
吐き気・嘔吐
薬の影響を受けて、むかついたり、場合によっては吐いてしまうことがあります。
日常生活の注意
- においのする料理はさけましょう(揚げ物、煮物、煮魚など)
- さましてから食べましょう
- 食事はゆっくり時間をかけ、少量ずつ食べられる物をとりましょう
口内炎
口の粘膜が薬の影響を受け、口内炎があらわれることがあります。
日常生活の注意
- ていねいに歯をみがき、口の中を清潔に保ちましょう(歯ブラシは小さめで、やわらかい物を使う)
- うがいや水分補給をこまめに行い、口の中を乾燥させないようにしましょう
- 口内炎ができてしまったら、ごくうすい塩水や、うがい薬を使ってこまめにうがいをしましょう
早めに医師、看護師または薬剤師に知らせましょう
- ティーエスワンを服用しはじめて数日以内に下痢と同時に口内炎があらわれる場合
- 広い範囲に口内炎があらわれて、食事が十分にとれない場合
下痢
腸の粘膜が薬により傷害され、下痢が起こることがあります。
下痢が続くと脱水症状になりやすいので、注意が必要です。
日常生活の注意
- 水分※をこまめにとりましょう
- スポーツ飲料などで電解質※を補給しましょう
- 食事を工夫しましょう
- 消化のよい物(おかゆ、うどんなど)、カリウムの多い食品(バナナ、果物ジュースなど)をとる
- 食事は何回かに分けて、少しずつとる
- 下痢によって、電解質(ナトリウム、カリウムなど)が水分と一緒に排泄されてしまいます
来院するか、早めに医師、看護師または薬剤師に知らせましょう
下痢止めの薬を飲んでも水様便が続く場合
食欲不振
薬の影響を受けて、食欲が一時的に低下することがあります。
食事や水分がとれなくなると脱水になりやすいので注意が必要です。
日常生活
- 体力を落とさないためにも、食べられる物、好きな物を少しずつでも食べましょう
- 水分をとるようにしましょう
医師、看護師または薬剤師に知らせて対処方法を相談しましょう
吐き気・嘔吐が長く続き、水分もとれない場合
発熱
薬の影響を受けて発熱することがあります。
白血球減少・好中球減少、胆道感染症(胆管炎)など、重篤な感染症の症状であることもあります。
副作用マネジメント
38℃以上の発熱を認めた場合は、ティーエスワンの服用をお休みし、あらかじめ処方されている薬を服用してください。
- 抗菌剤(シプロフロキサシンなど)
- 解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)
日常生活の注意
- 感染症の予防(白血球が減っているとき)
- 手洗いをしっかり行いましょう(食事前、トイレの後、外出から帰ったとき)
- うがいをこまめに行いましょう(外出から帰ったとき、食事の前)
- 口の中を清潔に保ちましょう(食後、寝る前の歯みがき)
- 体調に合わせて、無理をしないようにしましょう
来院するか、早めに医師、看護師または薬剤師に知らせましょう
- 抗菌剤を2~3日間服用しても症状が改善しない場合
皮疹(発疹)
薬の影響を受けて、皮疹(発疹)があらわれることがあります。
日常生活の注意
- ウールや化学繊維は、肌に直接着ないようにしましょう
- 刺激の少ない木綿の肌着を着ましょう
疲労
治療中に多くみられる副作用ですが、通常は治療後にすぐに回復します。
日常生活の注意
- 強い疲労を感じたときは、短時間の休息を多くとりましょう
- 血液やリンパの流れをよくしましょう
マッサージや入浴、散歩などの適度な運動が効果的です
胆道感染症(胆管炎)
がんの影響で胆道の一部である胆管が狭くなり、胆汁が流れにくくなると、細菌が増えて胆管炎を引き起こすことがあります。
一方、薬の影響で好中球が減少すると、細菌などの病原菌に感染しやすくなり(白血球減少・好中球減少)、胆管炎を引き起こしたり、ときには細菌が血液中に入り全身の感染症を引き起こしたりして、とても危険な状態になることがあります。
副作用マネジメント
腹痛、黄疸、発熱などの胆管炎の症状に気をつけましょう。
黄疸を起こすと、尿の色が紅茶のように濃くなり、便は白っぽくなります。
また、担当の医師の指示に従い定期的に血液検査を受けましょう。
日常生活の注意
- 手洗い・うがいをこまめに行いましょう
- からだや口の中を清潔に保ちましょう
- 栄養と睡眠をしっかりとり、規則正しい生活を心がけましょう
- 人混みは避けましょう
色素沈着
皮膚や爪・指先などが褐色や黒色になります。
直射日光で色素沈着が増強されます。
ティーエスワンの服用を中止することで回復したという報告があります。
日常生活の注意
- 強い日差しが差し込む窓ぎわなどをできるだけさけましょう
- 外出時は帽子や衣類で、直射日光をさけましょう
味覚異常
舌や口の中の、食べものの味を受け取って脳に伝える細胞の働きの変化により、味がしない、苦いなどの味覚異常が出ることがあります。
多くの場合、治療を終えてしばらくすると回復するといわれています。
日常生活の注意
- 食べやすい食品や料理で栄養をとるようにしましょう
- 味覚の変化に合わせて、味を工夫してみましょう
- 酸味や香辛料、香味野菜などで味にアクセントをつけましょう
脱毛
治療開始数週後から毛が抜け始めることがありますが、脱毛は一時的なものです。
治療終了後数ヵ月で毛が生えはじめ、約半年でほぼ回復します。
日常生活の注意
- 柔らかいブラシを使いましょう
- シャンプーは刺激の少ないものを使いましょう
- 帽子やカツラなどを用意しておくとよいでしょう
- あらかじめ毛髪を短めにカットしておくのもよいでしょう
流涙(涙が出る)
涙が出たり、目の充血、目が痛い、物が見えにくい、目がかすむ、目がかわく、結膜炎、角膜炎、涙道閉塞(涙が流れる管がつまる)などの症状があらわれることがあります。
日常生活の注意
- 手で目を擦らないようにしましょう
ハンカチも清潔なものを使用しましょう - アイメイクは、症状があるときには刺激になるので控えましょう