アブラキサン+ゲムシタビン
併用療法について
アブラキサンとは?
アブラキサンは、溶媒(アルコールなど)が必要な「パクリタキセル」という抗がん剤にアルブミンを加えることで治療前にアレルギーの予防薬(ステロイドなど)を投与する必要がないため、30分で投与可能な注射薬です。
パクリタキセル(有効成分)
- タキサンと呼ばれるグループに属する抗がん剤です。
- がん細胞の分裂を途中で止めるはたらきがあり、がん細胞の増殖を抑制します。
アルブミン(添加物)
- アルブミンは、血液の中にある主要なたんぱく質の一種です。
- アブラキサンで使用しているアルブミンはヒトの血液を原料としているため、製造する過程でウイルス等の感染防止対策を行っています(「Q&A Q2」を参照してください)。
- パクリタキセルは水に溶けにくいため、アルブミンを加えることでアルコールなどの溶媒が必要ではありません。
- アブラキサンは治癒切除不能な膵がん・非小細胞肺がん・胃がん・乳がんの治療に使用されます。
- がん細胞にはたらき、がんの進行を抑えます。
- がんによって起こる症状をやわらげます。
ゲムシタビンとは?
ゲムシタビンは「代謝拮抗剤」とよばれる種類の抗がん剤であり、生理食塩液に溶かして点滴する注射薬です。
- 世界中で広く使われています。(2011年時点での承認国は世界80ヵ国以上)
- 膵がん、非小細胞肺がん、胆道がん、尿路上皮がん、手術不能または再発乳がん、がん化学療法後に増悪した卵巣がん、再発または難治性の悪性リンパ腫に対して効果が認められています。
治療を受ける前に
からだの状態によっては、アブラキサン+ゲムシタビン併用療法を受けられない人や、注意して治療を行う必要がある人がいます。心あたりのある人は前もって担当の医師に相談してください。
- アブラキサン+ゲムシタビン併用療法が受けられない人
- 白血球(好中球)減少などの骨髄抑制が著しい人
- 感染症にかかっている人
- アブラキサン、パクリタキセル、アルブミン、ゲムシタビンにより発疹などのアレルギー症状が出たことのある人
- 妊娠中、妊娠している可能性のある人
投与方法
- 投与方法
静脈から点滴します。点滴時間はそれぞれ30分です。 - 投与量
身長、体重から体表面積を計算し、投与量が決められます。
投与スケジュール
通常、4週間(28日間)がひと区切り(1コース)となっています。
アブラキサンは通常第1日目、第8日目、第15日目に毎週点滴を行い、1週間休薬します。ゲムシタビンは、アブラキサンの後に投与します。これを繰り返して治療を進めます。
アブラキサンは通常第1日目、第8日目、第15日目に毎週点滴を行い、1週間休薬します。ゲムシタビンは、アブラキサンの後に投与します。これを繰り返して治療を進めます。
ここに示した投与スケジュールは、参考例です。
実際の投与スケジュールは、あなたのからだの状態や副作用などによって変更することがあります。詳しくは、担当の医師におたずねください。
実際の投与スケジュールは、あなたのからだの状態や副作用などによって変更することがあります。詳しくは、担当の医師におたずねください。
点滴を受けているときに注意すること
点滴中に薬が血管(静脈)の外に漏れてしまうと、注射部位がかたくなったり、腫れて痛みを感じたりすることがあります。
薬が血管の外に漏れないよう、なるべく腕を動かさず安静にしていてください。
このような症状が起こった場合は、すぐに担当の医師、看護師または薬剤師に知らせてください。
- 点滴部位が痛い、熱感がある、違和感がある
- 周辺部位が赤くなる、腫れる
薬とからだの相性が悪いと、アレルギーを起こすことがあります。
このような症状が起こった場合は、すぐに担当の医師、看護師または薬剤師に知らせてください。
- 吐き気がする、気分が悪い、冷や汗が出る、さむけがする
- 息苦しい、のどがしめつけられる感じがする、心臓がドキドキする
- からだがかゆい、皮膚が赤くなる、ぶつぶつができる