ハイイータン錠ってどんな薬?
●ハイイータン錠とは?
ハイイータン錠は、MET 遺伝子変異のある、進行した非小細胞肺がん患者さんのための飲み薬です。
ハイイータン錠は、「分子標的治療薬」という種類のお薬です。
分子標的治療薬は、がん細胞の増殖に関わるタンパク質などを標的として、がん細胞が増殖しにくい環境を整えるお薬です。
●ハイイータン錠はどのように働くの?
MET 遺伝子変異のあるがん細胞では、細胞の表面にあるMET受容体に異常がみられます。
異常なMET受容体は、がん細胞の中に増殖の信号を出すことで、がん細胞の増殖を引き起こします。
ハイイータン錠は、異常なMET受容体を標的としたお薬です。異常なMET受容体に結合して、増殖の信号が出るのを防ぐことで、がん細胞の増殖を抑えます。
●治療を受ける前に
ハイイータン錠の治療が受けられない方や、注意して治療を行う必要がある方がいます。心当たりのある方は、あらかじめ担当の医師にご相談ください。
ハイイータン錠の治療が受けられない方
- □ハイイータン錠に含まれる成分に対して、過敏症を起こしたことがある方
ハイイータン錠の治療で注意が必要な方
- □ 間質性肺疾患 をお持ちの方、又は過去に間質性肺疾患にかかったことがある方
- □QT間隔延長の疑いがある方、又は過去にQT間隔延長と診断されたことがある方
- □肝臓の機能が低下している方
- □妊娠中の方、妊娠している又は妊娠する可能性のある方
- □授乳中の方
●服用方法
ハイイータン錠は、1日1回空腹時に毎日服用するお薬です
●通常、1日1回、300mg(50mg×6錠)を空腹時に、水かぬるま湯で服用します。
ただし、患者さんの状態や副作用の程度によって、担当の医師が服用量を調整したり、薬をお休みしたりする場合があります。必ず担当医の指示に従って服用してください。
●必ず包装(PTPシート)から取り出して服用してください。
●服用時の注意点
●決められた量を守ってください。
担当の医師が決めた量ですので、ご自身の判断で錠数を変更しないでください。
服用し忘れても2回分を一度に飲まないでください。
服用したかどうかわからない場合は、その日は服用せず、翌日から決められた1回分の量を服用してください。治療日記に記録し、次回の診察時に担当の医師、看護師、薬剤師に伝えてください。普段からお薬の残数を確認しておくとよいでしょう。
多く飲んでしまった場合はただちに担当の医師、看護師、薬剤師に報告してください。
服用し忘れた際の対応は「Q&A」に記載しています。
●食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの3時間は服用を避けてください。
ハイイータン錠は食事の影響を受けると副作用が出やすくなる可能性があります。
●治療開始時に服用時間を決めて、生活リズムに取り入れましょう。
●治療日記をつけましょう。
治療日記は、あなたのからだの状態や体調の変化を把握したり、それをもとに治療計画を立てたりするために重要です。
副作用や、気になる症状が現れた場合は、治療日記に記入しておきましょう。
●服用の際は、カップに入れるなどして直接手で触れないように気をつけましょう。
●お薬を取り出した後のPTPシートにはお薬の成分が付いていることがありますので、直接触れてしまった場合は、手をよく洗いましょう。
●定期的に受診しましょう。
定期的な受診は、薬の効果の確認や、副作用の早期発見のために大切です。必ず医師の指示に従って、定期的に診察や検査を受けてください。
●副作用が現れた場合。
「特に注意すべき副作用」に書かれている症状が現れた場合はすぐに担当の医師、看護師、薬剤師に連絡してください。