この企業理念を実現するために、社員一人一人が心身ともに健康で活き活きと自由闊達に働ける職場環境の整備に、組織全体で取り組むことを宣言します。
2017年2月
代表取締役社長 小林 将之
2017年2月大鵬薬品は健康宣言を行いました。
大鵬薬品は、社員一人一人が互いの違いや背景を尊重し、心身ともに健康で活き活きと自由闊達に働けることが、組織力を高め、生産性や業績の向上、イノベーションの創出、社会へ貢献できる力につながると考え、全社一丸となって健康増進活動を行っています。これまでも社員自らが健康について理解し、疾病の予防や健康維持・増進に積極的に取り組めるよう、メンタルヘルス教育や人間ドックの受診促進、健康診断の事後措置(受診勧奨、就業区分判定、保健指導)など多様な活動を行ってまいりました。そうした活動が評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で選ぶ「健康経営優良法人(ホワイト500)」に2021年から4年連続、通算6回の認定(2020年は健康経営優良法人に認定)。健康経営の各施策については戦略マップを作成し、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を検証しながら取り組んでいます。
〔目標値(他、下部表中掲載)〕
・定期健康診断 受診率 100%
・人間ドック受診率(40歳以上) 90%
・有給休暇取得率 80%
各職種とチームが有機的に連携して、各種指標に基づく評価などを検証しながら健康経営を継続的に進めています。
・産業医、保健師、看護師、衛生管理者
・公認心理師、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント
・両立支援コーディネーター、がん治療と仕事の両立サポーターなどの有資格者
など
・ダイバーシティ2.0ワーキンググループ
・治療と仕事 両立支援ワーキンググループ
・スマートワークワーキンググループ(働き方改革推進の社内名称)
・2020年2月に経営層を対象に健康経営に関する研修を実施しています。加えて、統括安全衛生会議、安全衛生委員会および衛生委員会、さらに毎月開催している役員会議において、健康経営に関する報告を行っています。また、毎月部署単位で職場安全衛生会議を実施し安全衛生に関する審議を行っています。さらに、大塚製薬健康保険組合や大塚グループ内の各企業が連携したセミナーの開催、情報共有などを通して健康経営に取り組んでいます。
「2023年喫煙率ゼロ宣言」のもと卒煙施策を実施しています。これまでも啓発活動を行ってきましたが、がんを主要事業領域とする生命関連企業としての責任と自覚を持ち、全社員とそのご家族、周りの人びとの健康を守るため、啓発活動に加えてオンライン禁煙外来の費用補助をはじめとした積極的な支援策を講じて、これからも卒煙希望者を支援します。
2022年に実施した社内調査では、全社喫煙率5.6%(役員0%)であり、2023年4月時点では2.2%でした。
2023年度末喫煙率0%を目標に、引き続き取り組みます。
卒煙施策に対する投資額 約50万円(2022年度実績)
新型コロナウイルス禍における運動機会と社員間のコミュニケーション機会を提供することを目的に、2020年5月から約6週間にわたり毎日10分間の全社オンラインストレッチタイムを実施し、2021年2月にはスマートフォン運動実行支援アプリを全社導入しました。導入後は、同アプリを活用した新しいスタイルの社内運動会や社内イベントを定期的に開催し、全社参加率は約60%に達しています。このような取り組みが評価され、スポーツ庁より2021年から2年連続で「スポーツエールカンパニー」に認定されました。
定期健康診断受診の徹底(100%実施)に加え、社内基準値を超える社員に対する受診勧奨および受診後の結果確認、産業医による就業区分判定や就業制限基準に基づいた安全配慮の実施、対象者別の保健指導などを通して、健康管理意識の向上および健康管理の強化を図っています。2010年からは健康管理システムを導入し、全社員の経年データを一元管理しています。人間ドックの推進は、がんをはじめとした病気の早期発見・早期治療につなげる重要な施策と位置づけており、社内イントラネットにて、年代別や性別ごとにがん発症の好発時期を示すことで社員の受診動機につながるよう工夫しています。また、人間ドックを定期健康診断に代用することを認めており、就業時間中の受診も認めています。国ががん検診を推奨している40歳以上に対する受診率の目標値を定めているだけでなく、30歳以上の社員も限度額までは無料※1で人間ドックを受けられるようにすることで、積極的な受診を推進しています。また、歯の健康に関して、日々のホームケアの他、口腔ケアの定着として、定期的なスケーリング(歯に付着している歯垢と歯石を専用の器具で除去すること)の機会につなげるため、歯科検診の費用補助※2を実施し受診を推進しています。
※1 上限6万円、超えた分は自己負担
※2 上限2千円(年1回受診分まで)、超えた分は自己負担
特定保健指導について、就業中の実施を認めていること、経営層に健康保険組合からの実施率などの情報を報告していること、さらに、社内保健師も対象者へ特定保健指導の実施勧奨するなど積極的に関わることで実施率向上を図っています。また、人事異動に伴い新規で単身赴任となる社員に向けて、保健師・看護師による健康面談を実施する他、全単身赴任者へ健康情報の配信を行っています。
全社員に対してメンタルヘルスケア教育を実施しており、セルフケア・ラインケアの重要性について啓発し、マネジメント職層にはメンタルヘルス・マネジメント検定試験®※3Ⅱ種の受検を義務づけるなど、知識の普及をはじめ組織的なヘルスリテラシーの向上を図っています。
その他、社内イントラネットを通した、がんやたばこなどの健康に関する知識の啓発、経営メッセージの発信など、働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。さらに、社員が自宅で家族と一緒に見てもらえるよう健康経営パンフレットを配布し、ご家族の方も受けられる「人間ドック・特定健康診査等」や、会社の取り組み内容(卒煙施策、運動施策、治療と仕事の両立支援など)を紹介しています。また、産業医や保健師・看護師による健康相談など専門的に健康支援を行っています。
※3 大阪商工会議所の登録商標
「子育てサポート企業」として、より高い水準で取り組みを行っている企業が認定を受ける、「プラチナくるみん」を2017年に取得しました。育児休業取得率は女性96※4%、男性107※5%です(2022年1月~12月)。育児短時間勤務の他、リモートワーク、フレックスタイムなど、多様な働き方を推進しています。さらに、妊娠中から復職後までをサポートするため、妊娠時・産休前・復職前に本人と上司、人事部での三者面談や復職前セミナーを実施し社員へ制度の周知と活用の呼びかけ、仕事と育児の両立不安を取り除くなどのキャリア支援をしています。
また、過重労働対策に加え、健康管理時間を見える化し、長時間労働への対策として、上司への指導や、産業医・医療職からの面談などを実施しています。2022年の有給休暇取得率は78 %でした。
通常の有給休暇以外に、通常の有給休暇がなくなった場合に通院や介護、不妊治療などに利用できる有給休暇積立制度があります。私傷病によりやむを得ず長期で休職せざるを得ない場合は、休職に入る前の欠勤2カ月は給与を支給し、さらに女性特有の生理休暇や産前休暇などにおいても給与を支給し、社員が体調面で無理をすることなく活躍できる制度を整えています。
これからも、全ての社員にとって働きやすい職場環境づくりを目指します。
※4.5 2022年12月期に子の生まれた人数を分母とし、育児休業を開始した人数を分子としています
※4 算出方法により96%となりますが、出産した全女性社員が育休を取得しています
※5 男性の場合、短期間の育児休業取得者も含みます
人間ドック受診を推進することでがんなどの病気の早期発見・早期治療につなげ、産業医・保健師・看護師と両立支援コーディネーター、がん治療と仕事の両立サポーターなどが連携し、がん等病気と就労の両立支援を目的とした各種制度の活用や相談につなげています。
社内の取り組みにとどまらず、大塚グループ内の他企業の衛生委員会にて当社の取り組みを講演したり、朝日新聞社による「ネクストリボン2023」にて記事を掲載していただいたり、地域の公共職業安定所(ハローワーク)や産業保健総合支援センター(さんぽセンター)にて教育講演するなど、取引先を含む他の企業や大学、大塚グループ内企業などに加えて、地域にも普及活動を行っています。大鵬薬品の両立支援に対する取り組みは、「平成30年度厚生労働白書」にて紹介されたほか、2019年12月に東京、2020年2月に愛知で開催された厚生労働省主催の「治療と仕事の両立支援シンポジウム」でも企業の人事部担当者、経営者に向けて紹介しました。2021年から厚生労働省の「治療と職業生活の両立支援事業」における治療と仕事の両立支援のための新たなマニュアル作成委員会の「環境事業場における環境整備マニュアル作成部会」の委員として企業の立場から協力しました。今後も治療と仕事を両立しながら働ける環境整備や、がん予防対策などを実施するとともに、社外への普及活動も行っていきます。
新型コロナウイルス感染症に対しては、政府の職域接種要請に基づき、それぞれ1回目2021年6~7月、2回目同年8月(接種人数2,379人)、3回目2022年3~4月(接種人数1,894人)に本社・徳島拠点(周辺エリア社員と家族、関係会社社員を対象)にて実施しました。また、ワクチン接種のための就業時間内受診を認めています。現在は新型コロナウイルス感染症に罹患した際は、有給休暇とは別に有給扱いである特別休暇(最大28日)を利用できます。
インフルエンザ予防接種は、毎年推奨しており、一人1,000円の自己負担で残りの費用は会社負担で接種することができます。
区分 |
活動項目 |
取り組み内容および経年推移 |
|||
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
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健康管理の促進 |
定期健康診断実施率 |
100% |
100% |
100% |
100% |
精密検査受診率 |
28% |
25% |
50% |
45.3% |
|
禁煙外来受診者数(全喫煙者における割合) |
― |
12% |
11% |
7.4% |
|
禁煙外来治療成功率 |
― |
89% |
92% |
90% |
|
人間ドック受診率(40歳以上) |
70% |
68% |
79% |
82% |
|
運動施策参加割合 |
― |
― |
61% |
59% |
|
従業員の卒煙施策への満足度 (回答率96%以上) |
(Q会社の取り組みについて) |
(Q効果が現れていると思うか) |
(Q効果が現れていると思うか) |
(Q効果が現れていると思うか) |
|
従業員のヘルスリテラシー向上 (職場安全衛生会議実施率) |
― |
― |
― |
96.4% |
|
メンタルヘルス・マネジメント検定試験®Ⅱ種資格所有率(マネジメント職) |
75% |
80% |
75% |
77% |
|
健康維持・増進 |
健康セミナー・eラーニング実施 |
食事・運動・歯科・タバコ・女性と健康・がんとメンタルヘルスについての健康セミナーやeラーニングを実施。 |
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アルコール対策 |
アルコールパッチテストなど実技含む健康セミナーを3拠点で実施(2019年)。ヘルスケア部門と連携し安全衛生委員会・衛生委員会にて啓発セミナー実施。 |
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いきいき健康職場支援 |
健診医療機関と協働し、健康セミナーや保健指導、ポスターや事業所新聞作成など、健康支援を実施(2011年~2014年)。 |
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朝食支援 |
1カ月間、朝食を摂っていない社員へ朝食を配給し、朝食摂取を促す(2015年)。 |
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食堂支援 |
工場・研究所・研修センターの食堂におけるヘルシーメニューの設定や食堂での健康情報POP配信、メニューのカロリー表示など。「健康な食事・食環境認証制度(スマートミール)」の給食部門で3つ星を取得。 |
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運動機会の提供 |
2021年2月全社員にスマートフォン運動実行支援アプリ導入。毎年5月に新入社員も参加する新しいスタイルの社内運動会を実施し、秋にはイベント開催。その他、福利厚生でスポーツジムの割引など実施。一部の工場敷地内や社員寮に運動施設あり。 |
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卒煙施策 |
希望者全員に対する禁煙外来費用補助(オンライン外来含む)、卒煙に成功した社員の体験談の共有、保健師による保健指導、喫煙者全員へ人事部健康支援担当者によるヒアリング(2022年)、本人・上司・人事部の三者面談(2023年)、休憩中を含む就業時間内の禁煙の徹底、研究所・各工場エリアにおける終日敷地内全面禁煙の実施、新規採用において非喫煙者であることを採用条件とする、役職任命・管理職昇格・定年後継続雇用区分検討時に喫煙有無を考慮要素の一つとする、喫煙実態調査の定期的な実施、全社員へのさまざまな情報発信。5月31日世界禁煙デーに社長卒煙メッセージ動画配信、喫煙者へ社長からの手紙送付。社員と家族から卒煙応援感謝メッセージ募集。 |
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安全衛生委員会・衛生委員会の活動 |
定期健康診断受診項目の審議などを行い、隔年で便潜血検査を実施。他、HbA1c、eGFR、血清クレアチニン値、尿酸検査必須。 |
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設置義務のある事業所では毎月開催し、ストレスチェックの実施などの進め方、過重労働対策についてなど、安全衛生や安全な職場環境の維持に関する議論を目的に定期開催しているほか、安全衛生委員会では、危険源の特定、リスクアセスメントなどを定期的に行い共有している。 |
|||||
労働安全衛生に関する法令の遵守の他、安全衛生活動のひとつとして毎月職場安全衛生会議を実施している。 |
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ストレスチェックの実施 |
社内産業保健スタッフによるストレスチェックを実施。産業医面談の他、高ストレス者へ保健師・看護師による体調確認やヒアリングとともにセルフケアの冊子配布、各種相談窓口の案内。 |
||||
初年度より集団分析を実施。それぞれの部門にフィードバックし、職場改善を図っている。 |
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働きやすい環境づくり |
労働災害ゼロへの取り組み |
社内で発生した労働災害の情報共有および水平展開に加え、リスクアセスメントを行って、再発防止対策・未然防止対策を実施している。 |
|||
ヘルスリテラシー向上 |
全社にて毎月職場安全衛生会議実施 |
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長時間労働の是正、ライフワークバランス |
2016年TOKYO働き方改革宣言企業に認定。 |
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人事部内でスマートワーク実現化チームを発足し、長時間労働や時間管理について検討。1回/月、1回/週のノー残業デー(セルフケアデー)の実施やeラーニング・掲示板による情報発信、各種研修を通じた啓発を行っている。社内の健康管理時間の可視化を実施し、通常の過重労働対策に加え、営業のみなし労働者や管理職への健康管理も実施。「プラスdeハッピーホリデー」など、有給休暇取得強化日を決め、社員へ啓発。 |
|||||
育児介護疾病などの両立支援 |
2016年「がん患者の治療と仕事の両立への優良な取組を行う企業表彰」にて優良賞受賞 |
||||
育児:妊娠時・産休前・復職前に社員へ制度説明、相談対応などサポート |
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組織(職場風土) |
毎年、人事部による職場満足度調査、コンプライアンス部によるハラスメントアンケート、産業保健スタッフによるストレスチェックの集団分析結果や専門相談員の定期全社員面談や各種ヒアリングで同意を得た社員の声にもとづき、職場改善活動へつなげている。また研究本部を中心に、社員のエンゲージメント向上を目標として、一人一人が仕事や本部の垣根を越えて、人と人のつながりの場をつくることを目的とした「つながるプロジェクト」を2019年から実施している。 |
区分 |
活動項目 |
年度ごとの実績値 |
目標 |
|||
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
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健康診断関連 |
適性体重維持者率(BMI18.5~25未満) |
61.1% |
56.8% |
62.5% |
61.3% |
65% |
喫煙率 |
― |
15.0% |
9.2% |
5.6% |
0% |
|
ストレスチェック等 |
受検率 |
98.4% |
99.1% |
97.6% |
98.6% |
99% |
高ストレス者割合 |
6.5% |
5.6% |
7.0% |
6.3% |
6.0% |
|
傷病による休職率 |
0.27% |
0.29% |
0.33% |
0.42% |
0.35%以下 |
|
アブセンティーイズム(傷病による欠勤及び休職) |
0.7% |
1.1% |
0.8% |
1.0% |
1.0%以下 |
|
プレゼンティーズム(10点が最も生産性が高い状態) ※SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大 1 項目版)に準拠した測定 |
― |
― |
― |
6.2 |
6.3点 |
|
働きやすい環境づくり |
年次有給休暇取得率 |
77% |
69% |
77% |
78% |
80% |
ワークエンゲージメント(10点が最も高い状態) ※新職業性ストレス簡易調査票において、 |
6.6点 |
6.8点 |
6.6点 |
6.6点 |
7.0点 |
|
女性育休取得率※1 |
100% |
84% |
100% |
96% |
― |
|
男性育休取得率※2 |
69% |
77% |
85% |
107% |
― |
|
平均所定外残業時間 |
7時間 |
7時間 |
8時間 |
8時間 |
― |
|
休業を伴う労働災害件数 |
5件 |
4件 |
1件 |
1件 |
0件 |
※1.2 2022年12月期に子の生まれた人数を分母とし、育児休業を開始した人数を分子としています
※1 算出方法により96%となりますが、出産した全女性社員が育休を取得しています
※2 男性の場合、短期間の育児休業取得者も含みます