動物実験
大鵬薬品が行う医薬品等の研究・開発において、その有効性や安全性を確認するためには実験動物を用いた検証が必要な場合があります。
大鵬薬品では、動物実験を行うに際して、動物の生命を尊重し、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」を始め、「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(環境省告示)」、「厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針」、「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(日本学術会議)」等の関連する法令、基準及びガイドラインを遵守しています。
これらについては動物実験委員会により自己点検が行われており,動物実験が基本指針,ガイドライン等に適合している事を確認しています。
研究施設においては動物実験規程及び動物実験委員会を整備・設置し、全ての動物実験及び飼養が3Rsの原則*1に則り適正に実施されている事を審査しています。
さらに、動物実験の自主管理体制の第三者認証として、一般財団法人日本医薬情報センター・動物実験実施施設認証センターの調査を受け、認定登録されています。*2
*1) 3Rsの原則
動物愛護法の第41条に規定。「使用する動物数の削減(Reduction)」、「動物を用いない実験の可能性の追求(Replacement)」、「動物の苦痛軽減(Refinement)」
*2) 一般財団法人日本医薬情報センター・動物実験実施施設認証
一般財団法人日本医薬情報センター内に設置された動物実験の専門家からなる評価委員会によって与えられる認証。動物実験実施機関における動物実験等の実施に関して、「動物愛護管理法」及び「飼養保管基準」並びに各省の定める「基本指針」に従い、動物実験等の自主管理の促進とともに動物愛護の観点に配慮しつつ、科学的観点に基づく適正な動物実験等が実施されているかを外部機関として検証し、認証するもの。
人由来試料を用いた研究
人の情報や試料(組織、血液など)を用いた「基礎研究」を行う際には、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(文部科学省・厚生労働省・経済産業省)」を遵守しています。
外部委員を含む研究倫理審査委員会を設置し、倫理的・科学的妥当性および個人情報保護の観点から、研究の意義・目的、研究計画、個人情報管理体制、研究の進捗状況、研究結果等を審査することにより研究の適正性及び信頼性を確保しております。
なお、この活動は厚生労働省の「研究倫理審査委員会報告システム」において公表すると共に定期的に研究員に対して研修を行っています。
病原性微生物/遺伝子組換え生物を用いた研究
病原性微生物及びこれらを含有する可能性のある研究試料の使用においては、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」を始めとする関連政令・省令を遵守するとともに、これら病原性微生物等の取扱い・保管及び環境確保に必要な安全管理について社内規程を整備し、社員教育を通して実験事故の未然防止に努めています。
遺伝子組換え生物を用いた実験においては、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」を始めとする関連政令・省令を遵守するとともに、社内審査委員会を設置し、遺伝子組換え生物等の不適切な拡散・漏洩によって環境被害をもたらさないよう十分な配慮をしています。
研究成果の公表におけるコンプライアンス
大鵬薬品では、「新たな知見を創造するために種々の研究を立案・遂行し、その成果を公表することにより医学の進歩・医療の向上に貢献する」ことは研究者の社会的責務と考えています。そのため、研究活動においては、研究者として最大限の倫理的配慮を行い、研究不正(捏造、改ざん、盗用など)の防止はもとより、研究の科学性・適切性・信頼性・再現性の保証に努めています。
特に研究成果の公表については、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン(文部科学省)」、「科学の健全な発展のために -誠実な科学者の心得-(日本学術振興会)」、「医学雑誌掲載のための学術研究の実施、報告、編集、及び出版に関する勧告(国際医学雑誌編集者会議:ICMJE)」、及び社内ガイドライン等に基づいて、適切な著者の資格要件を定めた上で、研究成果の公表に関する規律(重複・多重投稿、不適切な著者記載・引用の禁止など)を遵守し、研究結果によらず、誠実で責任ある成果の公表を適時に行います。
私たちは、これからも倫理的に配慮した取り組みに努め、得られる研究成果を通じて、人びとの健康を高め、満ち足りた笑顔あふれる社会づくりに貢献いたします。