- 2013年02月13日
- 大鵬薬品工業株式会社
抗悪性腫瘍剤「アブラキサン®点滴静注用100mg」承認条件(全例登録)解除のお知らせ
大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、代表取締役社長:小林 将之、以下「大鵬薬品」)は抗悪性腫瘍剤「アブラキサン®点滴静注用100mg(一般名:パクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型))」に関し、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において使用成績調査(全例調査)の最終結果(2010年9月~2011年2月に登録された934例)が報告され、厚生労働省より承認条件解除の連絡を受けましたのでお知らせいたします。
本剤は 2010年7月に「乳癌」に対する効能・効果を取得しており、その際の承認条件*1として使用成績調査(全例調査)が付されておりました。
*1承認条件:国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの 間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
今回の承認条件の解除は、厚生労働省に提出した本調査の集計結果(934例)の患者さんにおける安全性および有効性について、承認条件である使用成績調査が適切に実施され、本剤の適正使用に必要な措置が講じられ、更なる調査等の実施は必要ないと考えられたことから決定されたものです。また、全例調査の登録終了後から全例登録*2を医療関係者に依頼しておりましたが、この度の承認条件解除に伴い全例登録も終了する運びとなりました。
*2医療用医薬品の全例調査及び市販直後調査に関するQ&A(厚生労働省医薬食品局審査管理課、安全対策課平成21年9月7日 事務連絡)参照
大鵬薬品は、本剤が患者さんや医療関係者により広く貢献できる薬剤となることを期待し、今後も有用な情報を継続的に提供するとともに、適正使用の推進に努めて参ります。
【集計結果の概要】
発売開始日2010年9月24日から2011年2月14日までに投薬開始予定として943例が登録されました。重複症例等を除いた934例で安全性を評価いたしました。全体の副作用発現症例数は867例、副作用発現率は92.8%であり、重篤な副作用発現率は16.9%でした。
本剤に特徴的な副作用及びその発現率は白血球数減少(64.8%)、好中球数減少(56.2%)、末梢性感覚ニューロパチー(23.7%)、感覚鈍麻(39.4%)で、重篤な副作用及びその発現率は白血球数減少(10.0%)、好中球数減少(9.1%)、感覚鈍麻(2.1%)、末梢性感覚ニューロパチー(1.7%)等が報告されました。これら副作用の大部分は、本剤の添付文書に記載している副作用および他のパクリタキセル製剤で報告されている副作用と違いは認められませんでした。一方、肝機能障害例でのGrade3以上の副作用発現率が肝機能正常例に比べて高いという結果が得られ、要因分析においても抽出されました。
使用成績調査(全例調査)の集計結果につきましては、弊社ホームページの専用サイトhttp://www.taiho.co.jp/medical/abraxane/ をご覧下さい。
【アブラキサン®点滴静注用100mgについて】
本剤は、人血清アルブミンにパクリタキセルを結合させ平均130 nmにナノ粒子化したパクリタキセル製剤です。本剤は、過敏症を予防するためのステロイドや抗ヒスタミン剤の前投薬が必須ではなく、点滴時間の短縮などの利便性が得られています。
なお、本剤は、アブラキシス バイオサイエンス社により開発され、欧米ではその親会社であるセルジーン社により販売されています。
ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日現在の情報です。
当社のニュースリリースは、報道関係者への情報提供を目的としています。医療用医薬品や開発品に関する情報を含む場合がありますが、これらはプロモーション、広告、医療上のアドバイスを目的としたものではありません。