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2014年04月22日
大鵬薬品工業株式会社

新規抗悪性腫瘍剤 ET-743(トラベクテジン)が悪性軟部腫瘍患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験において無増悪生存期間の延長目標を達成

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、代表取締役社長:小林 将之)は、抗悪性腫瘍剤ET-743(一般名:トラベクテジン、欧州販売名:Yondelis®、以下本剤)が、染色体転座が報告されている組織型*1の悪性軟部腫瘍患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験において、無増悪生存期間の延長目標を達成したことをお知らせします。                               

ET-743は、2009年3月にスペインのファーママー社と締結した開発・販売に関するライセンス契約に基づき、大鵬薬品が国内での開発を進めてきました。

尚、本試験の結果の詳細は、本年5月30日から6月3日に米国シカゴで開催予定の第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO®)で発表する予定です。

大鵬薬品は、アンメット・メディカル・ニーズの高い悪性軟部腫瘍に対し、ET-743を新たな治療選択肢として国内の患者さん・医療関係者に提供できるよう、承認取得に向けて取り組んでまいります。

(第Ⅱ相臨床試験について)
本試験は、染色体転座が報告されている組織型の悪性軟部腫瘍患者を対象にET-743投与群の無増悪生存期間について、支持療法(BSC*2)群を対照として比較した第Ⅱ相臨床試験です。国内12の医療機関が参加し、2012年7月11日~2014年1月20日の間で76例が登録されました。

(悪性軟部腫瘍について)
身体の軟部組織(筋肉、結合組織、脂肪、血管リンパ管等)に発症する難治性悪性腫瘍です。日本における年間の罹患率は10万人あたり2~3人で、推定患者数3,000人*3程度の希少疾病です。

(ET-743について)
ET-743は、ファーママー社が開発した新規抗悪性腫瘍剤です。元々はカリブ海産のホヤの一種Ecteinascidia turbinataから単離された天然物で、現在は合成方法を確立しています。ET-743はDNAに結合し、細胞分裂、遺伝子転写、DNA修復機構を妨げ、その抗腫瘍効果は腫瘍微小環境にも作用します。欧州ではYondelis®の製品名で、進行性の悪性軟部腫瘍治療薬として2007年9月に欧州医薬品庁(EMA)より承認を取得し、2009年9月には再発プラチナ感受性卵巣がん患者に対するドキソルビシン内包 PEG リポソーム製剤との併用で適応追加の承認を取得しました。現在では、欧州各国、ロシア、韓国、カナダ等80カ国で承認・販売されています。

(ファーママー社について)
ゼルチアグループ(スペイン証券取引所:ZEL)の子会社であり、新規海洋産物由来医薬品の発見と開発を通じ、がん治療に貢献しているバイオ医薬品の世界的企業です。ゼルチアグループは、1963年からスペイン株式市場に上場しており、スペインのマドリッドを本拠地としています。

*1:悪性軟部腫瘍の一部において、腫瘍特異的な染色体転座とそれに由来する融合遺伝子が存在することがわかっています。染色体転座とは、異なる染色体上に存在する2つの遺伝子が切断され、他の染色体と融合したものです。この染色体転座により新たに発生した融合遺伝子は、腫瘍を発生させる原因となっている可能性が高いとされています。
*2:Best Supportive Care
*3:厚生労働省患者調査(平成20年)における「中皮及び軟部組織の悪性新生物」の患者数5,000人から、「中皮腫」の患者数2,000人を引いて算出

ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日現在の情報です。

当社のニュースリリースは、報道関係者への情報提供を目的としています。医療用医薬品や開発品に関する情報を含む場合がありますが、これらはプロモーション、広告、医療上のアドバイスを目的としたものではありません。

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