- 2015年05月14日
- 大鵬薬品工業株式会社
新規抗悪性腫瘍剤TAS-102(「ロンサーフ®配合錠T15・20」) 国際共同第Ⅲ相臨床試験(試験名:RECOURSE)の結果がニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載
大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、代表取締役社長:小林 将之)は、現在グローバルで開発中の抗悪性腫瘍剤TAS-102(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩、日本での製品名:「ロンサーフ®配合錠T15・T20」)の国際共同第Ⅲ相臨床試験(試験名:RECOURSE)の結果が、米国の医学誌The New England Journal of Medicine電子版5月14日号に掲載※されたことをお知らせします。
RECOURSE試験は、標準化学療法に不応・不耐となった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者800名を対象に、日本を含む13カ国で実施した国際共同第Ⅲ相臨床試験です。本試験において、TAS-102投与群はプラセボ投与群に比較して、主要評価項目である全生存期間(Overall Survival: OS)を有意に延長しました(HR = 0.68、p < 0.001)。また、安全性において特に問題となるような事象は観察されませんでした。
※ N Engl J Med 2015;372:1909-19. DOI: 10.1056/NEJMoa1414325
【TAS-102について】 本剤は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤です。FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりにDNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されています。TPI はFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度を維持します。日本では国内第Ⅱ相臨床試験結果に基づき、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果として、「ロンサーフ®配合錠T15・T20」の製品名で、世界に先駆けて2014年3月に承認、5月に発売されました。承認時の条件として、有効性と安全性を検証する国際共同第Ⅲ相臨床試験(試験名:RECOURSE)の終了後、速やかにその結果を提出することが求められていました。2015年3月に、本試験で示された有効性と安全性に基づき、「標準的な治療が困難な場合に限る」との投与対象患者を限定した条件が解除され、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能・効果とする一部変更承認を取得しました。米国と欧州においては現在申請中です。
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