ニュースリリース

2017年08月25日
大鵬薬品工業株式会社

抗悪性腫瘍剤「アブラキサン®点滴静注用100mg」胃がんに対する新たな用法・用量の承認を取得

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之)は、抗悪性腫瘍剤「アブラキサン®点滴静注用100mg」(一般名:パクリタキセル、2010年9月発売、以下「本剤」)について、本日、胃がんに対する新たな用法・用量として毎週投与法※1の承認を取得したことをお知らせします。

本剤は、国内において2010年7月に乳がん、2013年2月に胃がん、非小細胞肺がん、2014年12月に治癒切除不能な膵がんの効能・効果を取得しています。今回追加された用法・用量は、治療歴のある進行胃がん患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験(試験名:ABSOLUTE試験)の結果※2に基づき、既に承認を取得している3週毎投与法※3に加え承認されたものです。

ABSOLUTE試験は、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学治療に不応となった切除不能進行・再発胃がん患者741名を対象に、従来のパクリタキセル製剤(毎週投与法)に対する本剤(3週毎投与法および毎週投与法)の非劣性を検証することを目的に実施されました。その結果、主要評価項目である全生存期間(Overall Survival:OS)において、従来のパクリタキセル製剤(中央値 10.9カ月)に対して、本剤毎週投与法(中央値 11.1カ月)の非劣性が統計学的に証明されました(HR = 0.97、97.5%信頼区間 0.76-1.23)。一方、本剤3週毎投与法(中央値 10.3カ月)は非劣性が検証されませんでした(HR=1.06、 95%信頼区間 0.87-1.31)。本剤毎週投与法で認められたGrade 3以上の主な副作用は、好中球減少症41%、白血球減少症22%、貧血7%、食欲減退6%、リンパ球減少5%、発熱性好中球減少症3%、末梢性感覚ニューロパチー2%でした。

大鵬薬品は、本剤が患者さんや医療関係者により広く貢献できるよう、適正使用の推進に努めてまいります。

【アブラキサンについて】

本剤は、人血清アルブミンにパクリタキセルを結合させナノ粒子化したパクリタキセル製剤で、生理食塩液での懸濁が可能となり、その有効性、安全性が確認されています。本剤は、アブラキシス・バイオサイエンス社により開発され、海外では欧米を中心にその親会社であるセルジーン社が販売し、国内においては大鵬薬品が開発販売権を取得しています。2005年1月に米国FDAより乳がんの治療薬として承認され、2017年8月現在、米国、欧州を含む世界71カ国で承認されています。

※1:週1回投与を3週間連続で行い、4週目は休薬。これを1コースとして、投与を繰り返す投与法。
※2:Shitara K, et al. Lancet Gastroenterol Hepatol 2017; 2(4): 277-87.
※3:1回投与後、少なくとも20日間休薬。これを1コースとして、投与を繰り返す投与法。

製 品 情 報

製 品 名 アブラキサン®点滴静注用100mg(パクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型))
効能・効果 乳癌、胃癌、非小細胞肺癌、治癒切除不能な膵癌
用法・用量 (下線部が今回承認された内容です)
乳癌にはA法を、胃癌にはA法又はD法を、非小細胞肺癌にはB法を、治癒切除不能な膵癌にはC法を使用する。


  • A法:通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回260mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。 なお、患者の状態により適宜減量する。

  • B法:通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回100mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週間連続し、これを1コースとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

  • C法:ゲムシタビンとの併用において、通常、成人にはパクリタキセルとして、1 日1 回 125mg/m2(体表面積)を30 分かけて点滴静注し、少なくとも6 日間休薬する。週1 回 投与を3 週間連続し、4 週目は休薬する。これを1 コースとして、投与を繰り返す。 なお、患者の状態により適宜減量する。

  • D法:通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回100mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週間連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。 なお、患者の状態により適宜減量する。

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