ニュースリリース

2018年07月13日
大鵬薬品工業株式会社

大鵬薬品 新たながん免疫療法の開発に参入

Arcus Biosciences社のアデノシン受容体阻害剤をアジアで独占的に開発・販売する権利を取得

大鵬薬品工業株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)は、革新的ながん免疫療法の創薬・開発に注力している米国のArcus Biosciences社 (以下、「Arcus社」) が開発中のアデノシン受容体阻害剤AB928とそのバックアップ化合物を、アジア (中国除く) で独占的に開発・販売する権利を取得したことをお知らせいたします。これは、2017年9月に両社が締結したオプション契約に基づき、大鵬薬品がオプション権を行使したものです。

AB928は、がん微小環境における免疫抑制メカニズムに関与すると考えられているアデノシン受容体のサブタイプA2aおよびA2bを選択的に阻害する低分子化合物です。アデノシン受容体阻害剤がさまざまな疾患で開発されている中で、AB928はがんをターゲットに設計されたアデノシン受容体阻害剤であり、経口剤としてArcus社が開発を進めています。アデノシン受容体阻害剤は、今後がん免疫療法における新たな治療法になる可能性があるとして期待されています。

Arcus社はAB928に関して、健常人における第I相臨床試験を既に実施しており、AB928の安全性、忍容性および薬物動態が確認されています。また、AB928と化学療法やPD-1抗体などさまざまな併用療法を複数のがん種において検討する第I相臨床試験を本年開始しました。Arcus社は本試験を通して、AB928の安全性等をさらに検討する予定です。大鵬薬品は今後Arcus社とともに最適な治療法をできるだけ早期に確立、提供することを目指しています。

大鵬薬品は、今後もがん治療において、患者さんや医療関係者により一層貢献できるよう努めてまいります。

Arcus社について

Arcus社は、革新的ながん免疫療法の創薬・開発に注力している米国のバイオベンチャーです。Arcus社は、アデノシン受容体や、PD-1、TIGITといった重要ながん免疫療法の経路をターゲットにした複数のプログラムの開発を進めています。Arcus社には、医薬化学、免疫学、生化学、薬理学、構造生物学の各分野において深い専門性を有する社員が多く在籍しています。同社の詳しい情報については、同社のホームページ (www.arcusbio.com) をご参照ください。

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