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2023年06月26日
大鵬薬品工業株式会社

FGFR阻害剤「リトゴビ®錠4mg」がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌に対して製造販売承認を取得

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)は、FGFR阻害剤「リトゴビ®錠4mg」(一般名:フチバチニブ、以下「本剤」)について「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌」の効能・効果で、本日厚生労働省より製造販売承認を取得したことをお知らせします。

今回の承認は、FOENIX-CCA2試験データに基づくものです。FOENIX-CCA2試験は、FGFR2遺伝子の融合またはその他の再構成を有する局所進行または転移性の切除不能な肝内胆管がん患者103名を対象とした第Ⅱ相試験です。全身療法の治療歴のある患者を対象に、本剤20mgを1日1回、病勢進行または許容できない毒性が認められるまで投与しました。本試験の主要評価項目は独立評価に基づく全奏効率(ORR)でした。
※ORR(objective response rate):全奏効率のことで、がん治療薬などの効果があると客観的根拠をもとに判定された患者の割合

同試験の結果は、『The New England Journal of Medicine』 誌の2023年1月19日号に掲載されました1)

また、FGFR2融合遺伝子を検出するための診断用医療機器「OncoGuide™ NCCオンコパネル システム」につきましては、日本で共同開発を行ったシスメックス株式会社(本社:兵庫県神戸市中央区、代表取締役社長:浅野 薫)が、本剤のコンパニオン診断機能を追加する一部変更承認を2023年2月に取得しました。

大鵬薬品は、本剤が胆道がん患者さんの新たな治療選択肢の一つとして、貢献できることを期待しています。

胆道がんについて

胆道がんは、胆道に発生するがんの総称で、発生部位により、胆管がん、胆のうがん、乳頭部がんに分類されます。肝臓内の胆管に発生する肝内胆管がんは、胆管がんの一部に含まれます。国立がん研究センターによると、日本における肝内および肝外胆管がん、胆のうがん、乳頭部がんを合わせた胆道がんの年間罹患数は約2.5万人です2)

リトゴビについて

リトゴビ(開発コード:TAS-120)は、大鵬薬品が創製したFGFR1、2、3、4を不可逆的かつ選択的に阻害する経口のチロシンキナーゼ阻害剤です。化学療法などの前治療歴がある胆道がん患者さんを含む、FGFR1-4に遺伝子異常を持つ進行固形がんへの治療薬として開発しています。本剤は選択的かつ不可逆的にFGFR1-4のATP結合部位に結合しFGFRを介するシグナル伝達経路を阻害することで、FGFR1-4遺伝子異常を持つ腫瘍細胞の増殖を抑制し細胞死を誘導します。第Ⅱ相FOENIX-CCA2試験の詳細は、ClinicalTrials.gov(https://clinicaltrials.gov/ct2/home 試験ID:NCT02052778)をご覧ください。

FOENIX-CCA2試験:PHASE 1/2 STUDY OF TAS-120 IN PATIENTS WITH ADVANCED SOLID TUMORS Harboring FGF/FGFR Aberrations; FGFR Oral SElective Novel Inhibitor X [across] tumors

米国においては、「前治療歴を有するFGFR2融合遺伝子またはその他の再構成を伴う切除不能な局所進行または転移性肝内胆管がん」の適応で2022年9月に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)より承認を取得しています。

欧州においては、全身療法後に進行したFGFR2変異または再構成を伴う局所進行または転移性の胆管がん患者さんの治療薬として、条件付き販売承認(CMA)を推奨する承認勧告を2023年4月に欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)の医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use:CHMP)より受領しました。

FGFR(線維芽細胞増殖因子受容体)について

FGFRは、血管新生、創傷治癒および胚発生に関与する受容体型チロシンキナーゼファミリーに属しています。線維芽細胞増殖因子(FGF)とその受容体(FGFR1-4)は、多様な種類の細胞に発現し、細胞の増殖、生存、遊走、分化などを制御しています。昨今、複数のがん種でFGF/FGFR遺伝子異常が報告されており、がんのドライバー遺伝子候補として着目されています。

製品概要

製 品 名 リトゴビ®錠4mg
一 般 名 フチバチニブ
効能又は効果 がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌
用法及び用量 通常、成人には、フチバチニブとして1日1回20mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

シスメックス株式会社について

シスメックスは、グループ企業理念「Sysmex Way」において「ヘルスケアの進化をデザインする。」をミッションに掲げ、医療の発展と人々の健やかな暮らしに貢献しています。血液や尿などを 採取して調べる検体検査に必要な機器・試薬・ソフトウェアの研究開発から製造、販売・サービス &サポートを一貫して行っており、190以上の国や地域の医療機関へ製品をお届けしています。近年は、ライフサイエンス領域へと事業を拡大しており、独自のテクノロジーを用いて新たな検査・診断価値を創出し、一人ひとりに最適な医療の実現や、患者さんの負担軽減・QOL向上に貢献することを目指しています。

URL:https://www.sysmex.co.jp

1) L. Goyal, F. Meric-Bernstam, A. Hollebecque, et al. Futibatinib for FGFR2-Rearranged Intrahepatic Cholangiocarcinoma, N Engl J Med 2023;388:228-39.
2) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録).全国がん罹患データ(2016~2018年)、また日本肝癌研究会追跡調査委員会.工藤 正俊,泉 並木,久保 正二,國土 典宏,坂元 亨宇,他.第21回全国原発性肝癌追跡調査報告(2010~2011).肝臓.2020;61:645-691. を元に算出

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