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2023年06月26日
大鵬薬品工業株式会社

切除不能進行・再発大腸がん3次治療に対する
トリフルリジン・チピラシル塩酸塩(LONSURF®)とベバシズマブ併用療法 提携先のセルヴィエ社が欧州CHMPより承認勧告を受領

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)は、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンベースの化学療法、抗VEGF療法および/もしくは抗EGFR療法を含む2レジメンの治療歴がある切除不能進行・再発大腸がんの成人患者を対象としたトリフルリジン・チピラシル塩酸塩(欧州製品名「LONSURF®」、以下「ロンサーフ」)とベバシズマブの併用療法について、提携会社であるセルヴィエ社(フランス)が欧州医薬品庁(European Medicines Agency: EMA)の医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use: CHMP)より承認勧告を受領したことをお知らせします。

今回の承認勧告は、SUNLIGHT試験の臨床データに基づくものです。今後欧州委員会(European Commission:EC)で審議、最終決定がされ、同決定はEU加盟国27カ国およびアイスランド、ノルウェー、北アイルランド、リヒテンシュタインに適用されます。

大鵬薬品は、引き続き世界中の患者さん、医療関係者の方々に新たな治療選択肢をお届けできるよう努めてまいります。

大腸がんについて

大腸がんは世界で3番目に多いがんです1,2 新規罹患者数は2020年には世界中で約190万人にのぼり2、これは全世界のがん患者の10%に相当します1。大腸がん患者の約70%は最終的に転移性再発を起こし3、難治性の転移性大腸がんの全生存期間の中央値は4~8カ月です4。大腸がんはがんによる死亡原因の第2位であり、2020年の世界死亡者数は930,000人にのぼります2。 2040年には世界の大腸がん罹患数は年間300万人を超え5、死亡者数は70%以上増加し年間160万人になると予測されています5

ロンサーフについて

ロンサーフは、大鵬薬品が創製・開発した経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤です。チミジンベースのヌクレオシド類似体であるトリフルリジンと、チミジンホスホリラーゼ(TP)阻害剤であるチピラシル塩酸塩で構成されています。チピラシル塩酸塩はトリフルリジンの分解に関与するTPを阻害し、トリフルリジンの血中濃度を維持します。トリフルリジンはDNAに取り込まれ、DNAの機能障害および細胞増殖の阻害をします。

本剤は2015年に締結したライセンス契約の下、セルヴィエ社が欧州・その他地域(北米、カナダ、メキシコ、日本/アジアを除く)で共同開発と商業化を進めています。欧州では、ECより「フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、イリノテカン療法や抗VEGF療法、および抗EGFR療法を含む既存治療の施行後、またはこれらの治療法が適応とならない、遠隔転移を有する成人の結腸・直腸癌」また「少なくとも2レジメンの切除不能進行・再発胃癌に対する化学療法治療歴を有する食道胃接合部腺癌を含む切除不能進行・再発胃癌の成人患者における単剤療法」の適応を取得しています6

*LONSURF®
一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩
日本での製品名:「ロンサーフ配合錠T15・T20」
日本におけるロンサーフの効能又は効果:
・治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
・がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌

SUNLIGHT試験について

SUNLIGHT試験は、2つの前治療を行った切除不能な進行・再発の大腸がんを対象としたロンサーフ単剤療法とロンサーフとベバシズマブの併用療法の国際共同比較第Ⅲ相試験です。492人がロンサーフ単剤群あるいはロンサーフとベバシズマブの併用療法群に1対1に無作為に割り付けられ、主要評価項目である全生存期間(OS)においてロンサーフ単剤療法に対するロンサーフとベバシズマブの併用療法の優越性の検証を目的に試験を実施しました。重要な副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)となっており、安全性、忍容性、生活の質(QOL)に与える影響についても評価しています。

SUNLIGHT試験はセルヴィエ社と大鵬オンコロジーによって実施されました。

試験の詳細についてはこちらをご覧下さい。https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04737187

SUNLIGHT試験:An open-label, randomised, phase III study comparing trifluridine/tipiracil in combination with bevacizumab to trifluridine/tipiracil monotherapy in patients with refractory metastatic colorectal cancer (SUNLIGHT study)

セルヴィエ社について

健康への貢献を目的に設立されたセルヴィエは、患者さんのため、そして持続可能な世界のため、意義ある社会的影響を与えることを志す非営利財団が運営する国際的な製薬グループです。循環器領域のリーダーであるセルヴィエグループが目指しているのは、治療が困難ながんに取り組み、がん領域で信頼に足る革新的なプレイヤーになることです。セルヴィエは、治療法の革新の歩みを早めるため、ニューロサイエンスと免疫炎症性疾患にも取り組んでいます。

すべての人が質の高い医療を受けられるように、セルヴィエはほとんどの病態をカバーする高品質のジェネリック医薬品も幅広く提供しています。

当社グループは、これらすべての領域で医薬品のライフサイクルの各段階において、患者さんの声を取り入れています。



1:Digestive Cancers Europe. Prevalence of Colorectal Cancer. Available at: https://digestivecancers.eu/colorectal-cancer/prevalence-of-colorectal-cancer-prevalence/?menu_id=13873. Last accessed: June 2023

2:World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Colon factsheet. Available at: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/8-Colon-fact-sheet.pdf Last accessed: June 2023

3:Wang J., Li S., Liu Y., et al. Metastatic patterns and survival outcomes in patients with stage IV colon cancer: A population‐based analysis. Cancer Med. 2020. 9(1): 361–373

4:Tabernero J., Taieb J., et al. Trifluridine/tipiracil plus Bevacizumab for third-line management of metastatic colorectal cancer: SUNLIGHT study design. Future Oncol. 2021.17(16): 1977–1985. Available at: https://www.futuremedicine.com/doi/full/10.2217/fon-2020-1238. Last accessed: June 2023

5:World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Global burden of colorectal cancer in 2020 and 2040: incidence and mortality estimates from GLOBOCAN. Available at: https://www.iarc.who.int/news-events/global-burden-of-colorectal-cancer-in-2020-and-2040-incidence-and-mortality-estimates-from-globocan/#:~:text=The%20authors%20predict%20that%20by,an%20increase%20of%2073%25. Last accessed: June 2023

6:EMA. LONSURF: Summary of Product Characteristics. Available at : https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/lonsurf-epar-product-information_en.pdf Last accessed: June 2023


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