ニュースリリース

2023年08月30日
大鵬薬品工業株式会社

FGFR阻害剤「リトゴビ®錠4mg」新発売のお知らせ

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)は、FGFR阻害剤「リトゴビ®錠4mg」(一般名:フチバチニブ、以下「本剤」)が、本日薬価収載されたことをお知らせします。発売は、2023年9月7日を予定しています。

本剤は、大鵬薬品が創製したFGFR阻害剤です。FGFR1、2、3、4のすべてと共有結合しFGFRを介するシグナル伝達経路を不可逆的かつ選択的に阻害することで、FGFR1-4遺伝子異常を持つ腫瘍細胞の増殖を抑制し細胞死を誘導します。2023年6月には、第Ⅱ相FOENIX-CCA2試験のデータに基づき「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌」の効能・効果で製造販売承認を取得しました。
FOENIX-CCA2試験:PHASE 1/2 STUDY OF TAS-120 IN PATIENTS WITH ADVANCED SOLID TUMORS Harboring FGF/FGFR Aberrations; FGFR Oral SElective Novel Inhibitor X [across] tumors

本剤は、米国においては、2022年9月に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)より、「前治療歴を有するFGFR2融合遺伝子またはその他の再構成を伴う切除不能な局所進行または転移性肝内胆管がん」の適応で承認を取得し、欧州においては、2023年7月に欧州委員会(European Commission:EC)より、「全身療法後に進行したFGFR2融合または再構成を伴う局所進行または転移性の胆管がん」の適応で条件付き販売承認を取得しました。

大鵬薬品は、本剤が胆道がん患者さんの新たな治療選択肢の一つとして、貢献できることを期待しています。

胆道がんについて

胆道がんは、胆道に発生するがんの総称で、発生部位により、胆管がん、胆のうがん、乳頭部がんに分類されます。肝臓内の胆管に発生する肝内胆管がんは、胆管がんの一部に含まれます。国立がん研究センターによると、日本における肝内および肝外胆管がん、胆のうがん、乳頭部がんを合わせた胆道がんの年間罹患数は約2.5万人です1)

FGFR(線維芽細胞増殖因子受容体)について

FGFRは、血管新生、創傷治癒および胚発生に関与する受容体型チロシンキナーゼファミリーに属しています。線維芽細胞増殖因子(FGF)とその受容体(FGFR1、2、3、4)は、多様な種類の細胞に発現し、細胞の増殖、生存、遊走、分化などを制御しています。昨今、複数のがん種でFGF/FGFR遺伝子異常が報告されており、がんのドライバー遺伝子候補として着目されています。

製品概要

製品名

リトゴビ®錠4mg

一般名

フチバチニブ

効能又は効果

がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌*

用法及び用量

通常、成人には、フチバチニブとして1日1回20mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

製造販売承認取得日

2023年6月26日

薬価収載日

2023年8月30日

発売日

2023年9月7日

薬価

10,252.50円/錠

包装

PTP包装:35錠(5錠×7)

製造販売元

大鵬薬品工業株式会社

*十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、FGFR2融合遺伝子が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。

1) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録).全国がん罹患データ(2016~2018年)、また日本肝癌研究会追跡調査委員会.工藤 正俊,泉 並木,久保 正二,國土 典宏,坂元 亨宇,他.第21回全国原発性肝癌追跡調査報告(2010~2011).肝臓.2020;61:645-691. を元に算出


ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日現在の情報です。

当社のニュースリリースは、報道関係者への情報提供を目的としています。医療用医薬品や開発品に関する情報を含む場合がありますが、これらはプロモーション、広告、医療上のアドバイスを目的としたものではありません。