創薬力

挑むは、Made in Japanの革新的な創薬。
患者さんとそのご家族の真の笑顔のために

患者さんに病気のない「いつもを」を届けるために、完治を目指す薬づくりへ。
大鵬薬品は、独自の創薬基盤技術と革新的な研究アプローチによって
新薬を待つ、世界の一人ひとりに貢献できる創薬に挑戦し続けています。

大鵬薬品の研究組織が目指すもの

約60%という高い自社創薬率を支える大鵬薬品の創薬中核拠点が、研究本部つくばエリアです。その使命は「アンメット・メディカル・ニーズ」と対峙し、疾患の治癒につながる、これまでの臨床に存在しなかった新薬を生み出すことにあります。Made in Japanの革新的な新薬を国内のみならず世界へ提供していくことを目指し、独自の創薬基盤技術を駆使して、パイプライン(開発候補品)を持続的に創製しています。
現在の創薬を取り巻く環境は変化が早く、それゆえに不連続、不確実な時代といえます。最適解を導き出すのが困難な状況の中でイノベーションを起こし続けるために、私たちは常に研究に携わる人財のレベルアップと研究環境の拡充を図り、ソフトとハードの両面からワールドクラスの研究組織づくりを推進しています。私たちの創薬領域は約7割が、がん領域(がんを主体とした腫瘍の原因や治療の研究)です。大鵬薬品のこれまでの創薬研究は、がん領域においては副作用を軽減しながら延命治療に資する薬剤が、他の疾患領域では対症療法の薬剤が中心でした。しかし、それだけでは患者さんを本当の意味で病気の不安から解放することはできません。私たちの創薬研究は今、完治を目指す創薬へと舵を切りました。完治を標榜できる新薬の創出は簡単ではありません。それでも私たちはその壁をいつか超えるために、大鵬薬品独自の創薬基盤技術をイノベーティブな発想で活用して挑戦し続けます。

アンメット・メディカル・ニーズとは:現状有効な治療法や薬がない疾病に対する医療ニーズ。「満たされていない医療課題」のこと。

大鵬薬品独自の創薬の強み

大鵬薬品の創薬基盤技術は、広範な創薬標的群から実験データに基づき価値ある標的を選別し、さらに新薬候補化合物まで導く創薬エンジンとなります。国内外の企業およびアカデミアとの協業を通じて、これまでいくつもの自社創薬基盤技術を確立してきました。これら創薬基盤技術を複合的に組み合わせた多角的な研究アプローチが大鵬薬品独自の創薬を可能とする強みです。
現在、その核となるのが、標的タンパク質中の特定アミノ酸(システイン)に選択的に共有結合させる「システイノミクス創薬」です。私たちは早くからシステイノミクス創薬の価値に着目し、ヒットを見出すための化合物ライブラリーを10年以上にわたって構築してきました。システイノミクス創薬をベースにいまだ治療満足度が低い、難治性がんへの挑戦、新モダリティ(創薬技術・手法)に応用した創薬を展開中です。共有結合型阻害剤の創製と並行して、システイノミクス創薬の深化を狙った基礎研究も進めており、創薬標的の対象拡大を見据えています。
また創薬と臨床の橋渡しをするトランスレーショナル研究所では、これまで手がけてきた豊富な臨床パイプラインから出てきた多種多様な臨床試験データを分析することで、独自のトランスレーショナル研究を進めています。

システイノミクス創薬とは:治療標的タンパクのシステイン基に薬剤を共有結合させ、強固な結合と高い標的選択性を可能とした大鵬薬品独自の創薬基盤技術。この技術により毒性の低さなど臨床メリットが期待できる。

創薬研究の展望と挑戦

大鵬薬品が目指すものは、コミュニケーション・スローガンでもある「いつもを、いつまでも。」です。創薬を通じて叶えたいのは、病気に悩む患者さんの、かけがえのない「いつも」を支える力となることです。
私たちは現在、KRAS遺伝子変異がん、膵がん、転移性脳腫瘍などの難治性がんに対する新しい治療法を目指した創薬研究を行っています。しかしながら、難治性がんに限らず、抗がん剤によって腫瘍を縮小させることはできますが完治は難しく、患者さんはがんと共存していくことに常に不安を抱いています。それでは「いつも」を支える力としては不十分です。私たちはこの不安からも解放する力になりたいと考えています。完治に導く創薬の可能性を追求することが私たちのテーマであり、進むべき展望です。
今後の難しい創薬を実現するためには構築してきた創薬基盤の組合せによる価値最大化が重要と考えています。例えば転移性脳腫瘍に対しては阻害剤を創製するだけでなく、化合物を脳内に移行させる創薬アプローチが求められます。大鵬薬品だからすべきアンメット・メディカル・ニーズの克服のために挑戦していきます。

KRAS遺伝子とは:がん遺伝子のひとつで、細胞増殖を促進するシグナルを細胞内で伝達する役割を持つKRASタンパクを作り出す遺伝子

開発パイプラインについて