製品情報
調製方法
- アブラキサンは凍結乾燥注射剤です。
調製時には、必ず生理食塩液で懸濁してください。 - シリンジの注射針は18ゲージ程度のものを用意してください(針が細いと泡立ちやすくなります)。
- バイアルに刺す際、注射針は深く刺さず、あまり上下動させず、また回転させないでください。(注射針の上下動の繰り返しは、注射針に塗布されたシリコーン油由来の不溶物を発生させる要因となります。)
適正使用情報(調製時の留意点に関する情報)
- ①投与量の
算出 - ②生理食塩液の
抜き取り - ③バイアルへの
穿刺 - ④生理食塩液の
注入 - ⑤バイアルの
静置 - ⑥空の点滴バッグ
の用意 - ⑦混和と内容物の確認
- ⑧懸濁液の
完成 - ⑨バイアルへの
穿刺 - ⑩懸濁液の
抜き取り - ⑪懸濁液の
確認 - ⑫空の点滴バッグ
への注入 - 点滴バッグへ
のラベル貼付
適用上の注意(抜粋)
❶投与量の算出
患者さんの体表面積から投与量を算出し、必要なバイアル数を準備します。
❷生理食塩液の抜き取り
患者さんに必要なバイアル数に応じた生理食塩液を準備し、1バイアルあたり20mLの生理食塩液を抜き取ります。
*注射針は深く刺さないでください。
❸バイアルへの穿刺
シリンジに新しい注射針を取り付け、本製品のバイアルを正立状態にして、ゴム栓に垂直に注射針を刺します。
- ※コアリングにご注意ください。
- ※注射針は深く刺さないでください。
❹生理食塩液の注入
- ①注射針は固定し、内壁伝いにゆっくり注入します(生理食塩液を内容物に直接かけないでください)。
- ②バイアル内は若干陽圧になっているので、過度の陰圧にならないようにシリンジのピストンを軽く引き、空気を抜いてから注射針をゴム栓から抜き取ります。
*机に肘をつく等、手を固定した状態で作業を行います。
❺バイアルの静置
内容物が確実に濡れるよう5分間以上バイアルを静置します。
❻空の点滴バッグの用意
- ①点滴バッグは必要量が充填できるサイズのものを用意してください。
- ②残った生理食塩液をすべて抜き取ります。
❼混和と内容物の確認
内容物を泡立たないように約2分以上混和し、その状態を確認します。
- 未懸濁物、沈殿物の有無
懸濁液中に不溶物がないか目視で確認してください
(不溶物が認められた場合には使用しないでください)。 - 均一な白色ないし黄色の懸濁液
❽懸濁液の完成
❾バイアルへの穿刺
- ①懸濁液調製後、シリンジに新しい注射針を取り付け、シリンジのピストンを軽く引き適量の空気を入れます。
- ②バイアルは正立状態にし、ゴム栓に垂直に注射針を刺します。
※針を刺す位置は、生理食塩液注入時とは別の位置に刺してください。
❿懸濁液の抜き取り
バイアルを斜めに傾けて、懸濁液を抜き取ります。
- ※注射針はあまり上下に動かさずに、固定して行ってください。
- ※注射針は深く刺さないでください。
*抜き取る際、陰圧が強くなるのでバイアルを傾けて、針先を液面より上に出して、シリンジ内の空気をバイアル内に入れ、常圧に戻します。そして、再度、懸濁液を抜き取ります。
⓫懸濁液の確認
⑨⑩を繰り返して懸濁液を抜き取り、最後に抜き取る際にバイアル内がやや陰圧になるように抜き取りを行います。
シリンジ内の懸濁液の異物確認を行います。
⓬空の点滴バッグへの注入
懸濁液は必要量をバイアルから抜き取り、新しい注射針に交換して、⑥で用意した空の点滴バッグに泡立たないように注入します。
- 懸濁液を生理食塩液に入れて希釈しないでください。
適用上の注意(抜粋)
- 【調製時の注意】
- 〈懸濁液について〉
- 生理食塩液を使用
- 手袋を着用することが望ましい
- 懸濁液は調製後速やかに使用するか、又は箱に戻し、冷蔵庫(2~8℃)に遮光保存して8時間以内に使用
- 懸濁液入りの点滴バッグは速やかに使用
- 懸濁液は他の薬剤と混注しない
- 未懸濁物、沈殿物、不溶物のある懸濁液は使用しない
- 【投与時の注意】
-
- 血管外漏出に注意(硬結・壊死を起こすことがある)
- インラインフィルターは使用しない
- 他の薬剤等との配合又は同じ静注ラインで同時注入しない
- 血管外漏出に注意(硬結・壊死を起こすことがある)
- 【取扱い上の注意】
-
- 記録の保存(特定生物由来製品)
- 医薬品名(販売名)
- 製造番号又は製造記号(ロット番号)
- 使用した患者の氏名、住所等
- 使用年月日
- 少なくとも20年間保存すること。
- 包装開封後:バイアルは箱に入れ保存
- 記録の保存(特定生物由来製品)
点滴バッグへのラベル貼付
アブラキサンのラベルは、切り離して点滴バッグに再貼付することもできますので、ご利用ください。